相手を気遣う、助け合う
有限会社エスタシオ / 舟木 なみ
大変でした。手形の仕組みもわからないところに手形を押し付けられて、借金取りの方からの電話もずっとありましたし。この時期が一番辛かったですかね。ですがすごく良い経験でした。どう良かったかというと、自分が会社をいわば潰したわけですよね。そのプロセスを知っているので、起業してから相手が自分の会社を潰そうとしているのがわかるんですよ。「担当者が病気で…」とか言われると「これは!!」とピンと来たりしてね(笑)そういう風に見れば、債務整理の時期は確かに辛い時期でしたが、とても大きな経験値を得られました。これはまたアルバイト時代の経験とは質が違うものですね。
そうです。その父の会社のスタッフ50名をそのまま引き継いで「エスタシオ」と名前を変えてスタートしました。
これは私が作った造語なんですけれども『存在を生み出す場所』という意味です。エスペラント語で「エスト」というのは存在を、「スタシオ」というのは「生まれる場所」という意味なんですね。その二つをつなぎ合わせて「エスタシオ」というわけです。 私がお客として美容院を選ぶとしたら、その時だけの髪形を提案するわけではなくて、その人のライフプラン、その人のイメージを引き出して、共有して、その人に会った髪形を提供する美容師がいるサロンに行きたいんですよね。ですからうちもそういう事が出来るスタッフの育成に尽力していますし、働いているスタッフにとっても、うちの会社がその人の人生を変えるような場所であってほしい、そういう意味を込めて、『存在を生み出す場所』という名にしました。
「人間力」を磨くポジションですね。人間って言うのは本当に可能性が無限にあって、それをどう引き出してあげるかだけだと思うんです。その「どう引き出すか」ということに私はすごく面白みを感じていて、その人の魅力を輝かせて、愛される存在を作っていきたいという風に思うんです。コンサル会社時代の経験から、その人のある一面だけを見た教育ではなくて、人を木と例えたとき、その人の幹になる部分を育てていきたいんです。「仕事」「家庭」という一部分は幹からのびる枝なんですね。その枝葉を広げるための幹が重要なんです。私はDNAという言い方をよくするんですが、私のDNA、つまり私の考え方、マインドをその人の幹に移していきたいんです。従業員育成というより、子どもを育てているような感覚です。