自己啓発をして成功する人、しない人
株式会社エス・エス・アイ創業者 / 田中孝顕氏
起業は非常に楽しい。しかし同時に、太平洋の真ん中にひとりボートでぽつんと降ろされた感じで、どうなってしまうんだろう、どうしたらいいのだろう、といった不安感もあります。この不安に打ち勝てない人もいます。私の場合は、楽しいイメージのみ思い浮かべました。
確かに、目標設定をして、目標をイメージし、達成していくという過程は本当にわくわくします。その自己実現をしていくことが楽しいです。
それに会社が伸びて行くのが楽しい。デメリットは、失敗すれば最悪何も無くなってしまうこと。それから周りが足を引っ張って来ること。
成功するためには普通の人がやらないことをするわけですから、普通の人から見たら「何をやってるんだ、あのバカは。」と言われるんです。(笑) そういう声に負けてはならない。
失敗を怖れるなと言っても、怖れてやらない人はやらないんですよね。僕は成功するという確信を持っていました。確信というよりイメージといった方が適切かも知れません。失敗しないために公務員でいるかといったら、それではつまらないと思ってしまうんです。
でも公務員になった友人を見ていると、それで満足してるんですよね。働いて、酒を飲みに行く。そして帰る。「それがいい」という人がいるんです。そういう人がいないと組織は成り立たないですから。でもそれが嫌だというならデメリットも飲み込んで起業して下さい。
投資に見合った成果となると、自分の一生に対する自己投資ですから、見合ったものか見合わないものかは死んだ後でなければ分かりません。とはいえ、小さな成功や幸せといったものは、誰でもその気になれば体験出来ます。この場合、自己啓発商材はことさら必要というわけではありません。
これらが必要なのは、何とか現状を打破して自分の願いを実現したいという場合です。その場合、成功のルールというものがあり、SSIはそれを提供するわけですが、多くの人々に支持されています。
しかし、ルールを身につけていても、実際に行動しなければ何事も生じません。私の高校時代の経験ですが、私は成功に関するhow to書というものを夢中で読みました。そして、読んでいる時はスッとして、「これで夢は叶えられる、すごい!」とか思うわけです。そしてパタンと本を閉じる。幸せな気分になります。でもその気分は長くは続きません。それでまた別のhow to書を読みます。また幸せな気分になる。やれば何とかなるんだ、という気分ですね。このようにhow to本は素晴らしいけれど、トランキライザーの役割に似たところがあります。なんとかしたいという想いはあるのだけど、本を読んで安心してしまい、自分では何もしません。そして残念なことに、これが「普通」だということです。
僕がうまくいったのは、行動したからなんじゃないかと思います。そこが違うのではないかと。高校時代はたくさんのノウハウ本を読みましたが、行動はしませんでした。当然何も変わりませんでした。それと、行動しても他人の助言に負けてしまう場合も成功の足かせとなる場合があります。そんなことをしても駄目だ、無理だ、出来ない。他人は善意のつもりで言っているのでしょうが、これが結構、成功への道から本人を逸脱させる強い要因となっています。これに対抗するには、強い信念が必要ですが、信念は行動の中から生まれます。
何より大切な事です。
山も登らなければ景色が変わりません。しかし動けば絶対に何かが変わります。
とはいえ行動するのは難しいんですよね。僕の場合は徹底的にダメ人間の状態が続き、それに対して「こういう状態は絶対嫌だ」という感情が爆発して、組織を飛び出しました。自分自身を追いつめました。そうなるともう、行動するしかないわけです。
さっきのがメッセージなんだけどね(笑)
つまるところ行動ですね。行動しないと失敗もしなければ成功もしない。
まず目標を設定する。最初は大きい目標を立てがちで、それはそれでいいのだけれど、大きい分、無理だというマイナスの感情を持ってしまうかもしれないから、細分化する。細分化というのも、10分目標とか、3分目標とか、それぐらい小さくしてしまう。
一人でクジラ一頭を食べるのは無理だと思ってしまいますよね。そもそもどこから手を付けたらいいか分からない。でも皿に乗るぐらいまで細かく細かくしたら、それだけは食べられるでしょう。どんな大きな目標もそれと同じことなんですよ。大きければ細分化すればいいのです。