失敗は無駄にならない
BLUE & REDコーチング 代表 / 今井亮
私は、子供の頃から「正義の味方」に憧れていました。小学生の時に「STAND BY ME」という映画を観たのがきっかけです。その中に出てくるクリスというキャラクターが弁護士になるところを見て、「弁護士というのはすごく正義感あふれる仕事なんだな」と憧れを持ちました。そして、自分も弁護士になりたいと思い、法学部を目指したんです。
しかし、実際に大学に入ってみると、理想と現実のギャップに衝撃を受けました。毎日暗い所で勉強をして、試験のことばかり考えなければならない毎日が苦しくて、「これが本当にやりたいことなのか?」というのを疑問に感じるようになりました。そして、「一度しかない人生なんだから、自分らしく生きるべきなんじゃないか」と思い、司法試験の予備校を辞めたんです。その後はタイからマレーシア、シンガポールなどを旅したり、サークルで遊んだりなど、勉強以外のことに没頭していました。
就職活動の時期になり、自分のやりたい仕事が何かを考えるようになりました。「なぜ自分が弁護士になりたかったのか」を原点に立ち戻って考えると、根本的な思いとして、「人の相談に乗り、不安を取り除いてあげたい」というものがあることに気付きました。そして、人の悩みや問題を解決する仕事を探すことにしたのです。その結果、個人や会社に対してお金の相談に乗るファイナンシャルプランナーという仕事をすることにしました。
およそ10年間、法人や会社に対する融資業務を中心に仕事をしてきました。その中で、若いうちから経営者の方にアドバイスをする立場になるというのは大きなやりがいでした。人間としての器がものすごく大きい経営者の方へアドバイスをするのは、強いプレッシャーを感じると同時に、自分の経験値を上げることにもつながりました。
数ある銀行のなかで自分たちの銀行を選んでもらうためには、お金に関する知識だけでなく、様々な経験や多様性を持たなければならない。選んでもらう銀行マンになるためにはどうすれば良いか?というのを考え続けていました。
「聞く能力」を鍛えることを意識しましたね。コンサルティングでは、ただ自分の知識を押し付けるのではなく、相手の思いを汲み取ることが一番大事なんです。いくら理論が確立していても、経営者の方が何を望んでいるかが分からなければ、適切なアドバイスをすることはできないからです。
このようなコンサルティングの方法は、今の自分の仕事であるコーチングに似ています。つまり、コーチングを学ぶ前から、感覚的にコーチングのようなことを行っていたという感じですね。
はい。コーチングを学ぶと、相手の感覚や状態の良し悪しを知ることができるし、それによって相手に寄りそい、信頼関係を構築することができるんです。コーチングを学んだことで、クライアントさんとよりよい関係を作れるようになりました。