失敗は無駄にならない
BLUE & REDコーチング 代表 / 今井亮
コーチングを知ったのは、NLP*という学問と偶然出会ったことがきっかけです。銀行で働いていた時、大学時代の先輩がNLPにまつわる本を出版され、NLPについて知ったんです。
NLPは、「自分自身と向き合うこと、相手の方と向き合うこと」の奥深さを教えてくれ、それがとても面白く感じました。そして、NLPを使って人をサポートすることのできるコーチングというものをもっと深めたいと感じ、コーチングについても勉強するようになりました。
*NLP=コミュニケーション能力の向上や、問題解決をするのに役立つ心理学
コーチングの技術で特に大事だと言われるのが、「プラスワン」という考え方です。これは、「クライアントさんより1トーン上のテンションで接する」という手法のことです。クライアントさんよりも自分の方が1トーンだけテンションを上げて接すると、彼らの思いや感情をより引き出すことができます。ここでは、自分がただテンションを上げるのではなくて、その人の状態に合わせて自分の状態も作ることが大事なんです。例えば、自分が元気の無い時に、テンションの高いエネルギッシュな人と接すると、びっくりするし、引いてしまいますよね(笑)そんな風に「自分に寄りそってもらえていない」という印象を受け、相手と自分との間に乖離が生まれてしまうのです。なので、「相手に合わせて自分を作る」というのができると、より良い関係性を作ることができます。
銀行員として「お金の面だけで人の支えになる」ということに限界を感じたんです。経営者の方のサポートをしている時に、経営者の方のマインドが変わらないと、いくらお金の面を整えても同じ展開を繰り返してしまう、という現象が何度もありました。その為、「クライアントの内面や意識をサポートしたい」と思うようになり、コーチングならそれができることに気付きました。そして、コーチングを学び始めて5年後に、独立することを決めたのです。
「失敗しても良いから、まずはやってみる」という考え方を持っていたからだと思います。私は、興味のあることにはとにかく手を出してみないと気が済まない性格なんです。そうすると必然的に無駄なことも多くなるのですが、実際に飛び込んでみないと、それが自分にとって無駄なものかどうかというのは分からない。何事も体験してみてこそ、「自分に合わない」というのが分かるようになるし、そこから未練を持たずに離れることができます。なので、「頭で考えるだけじゃなくて、経験してみる」というのが、私の中でずっと一貫しているスタイルですね。
起業を目指すみなさんには、失敗を恐れず、どんなところにも飛び込んで経験をしていただきたいです。起業家にとって必要なのは「ミスをなくすこと」ではなく、「ミスを恐れずに挑戦していくこと」です。挑戦は自分の経験値となり、失敗は自分の多様性を広げるためのプラスの経験となります。実際に自分の挑戦がビジネスとして発展していくのは、10個のうちの2個ぐらいかもしれません。でも、その残りの8個の失敗は絶対に無駄になりません。
失敗を積み重ねていくことが、自分だけの道を進む原動力となります。起業という選択をするならば、失敗を恐れず、常にチャレンジを続けていって欲しいと思います。