経営者の魅力は、責任をとれること
株式会社パートナーエージェント /佐藤 茂
結構自分に自信があったのですが、粉々になりましたね。ゼロベースの会社の営業を牽引して、営業責任者としてある程度の売り上げを作ってきましたから。ただ、そんな奴らは世の中にはごまんといた。
僕は営業として誰よりも多くの商品を売ってきたのかもしれないけど、結局会社から与えられた事しかやっていなかったのです。市場で評価される人材は、ゼロから1を作り出す人材なのですよね。このままだと、たとえ独立しても、商品を他の人より多く売るだけで自分の価値は一生上がらない事に気付いたのです。
そんな時に結婚情報サービス業界を紹介されて、この業界はなかなか面白そうだと思ったのです。というのも、広告しか見たことがなく、資料請求も一度もした事がない。別に友達でこういうサービスを使っている人もいない。なのに、「この業界は値段が高そうで、営業がしつこそう」というイメージが僕の中にあったんです。一度も結婚情報サービスを使っていないのに、誰もがこの業界を不審がっている。その事に気付いた時は、凄く面白い事だと思いました。
でも、これはチャンスだと捉えました。この業界を、僕がオプトで培った広告やマーケティングスキルで劇的に変える事ができれば、自分としても大きく成長できるし、業界の変革の一翼を担う事ができる。 それで、結婚情報サービスの業界に飛び込む事を決意しました。
グループ会社を20社くらい有する歴史ある会社で、グループ売上は200億円くらいでした。
業務としては、結婚情報サービスのイメージ改善に勤めましたですね。情報開示をたくさんして、ちゃんと魂のある人が仕事をしていますよ、変な会社ではないですよ、というPR活動を、ホームページや広告などを通じてチャレンジしました。その会社には6年間勤めたのですが、入社して1年で役員に抜擢されるなど、業界では異例と言われる昇進をする事ができました。
テイクアンドギヴ・ニーズという結婚式場の会社に入社します。代表の野尻佳孝氏に、「2006年に結婚情報サービスを作ろうと思うんだ」と誘われて、そちらの代表取締役に就任します。この子会社が、パートナーエージェントですね。(*現在はMBEOにより独立)
もちろん同業を作るという事で、後ろ髪を引かれる思いはありました。ただ、この業界が多額の広告費を使っているにも関わらず、肝心のサービスに対してはそこまで力を入れていないという事にずっと不満を持っていたのです。その結果がわずか10%弱という低い成婚率につながっており、お客さまの結婚情報サービス業界に対する信用度も著しく低下していました。結婚情報サービス業界を更に進化・発展させる為にも、前職を飛び出してゼロから会社を作ろうと思ったのです。
会社を設立した当初、私は業界変革の想いを込めて、「この国の結婚情報サービスは信用できないと思われている」という広告を打ち出しました。かなり挑戦的ですね(笑)
また、通常のグループ会社は、本体の採用とか本体の就業規則を適用したり、本体の人間が頻繁に出向すると思うのですが、T&Gグループ会社の中で、パートナーエージェントだけは採用も全部独自でやって、出向も1名だけで、全て独自で経営をしていました。グループ会社の中ではちょっと異質な会社でした。
全くありません。役職は役割にすぎないと思っています。ビジョンを描くとか、マーケット状況を把握するとか、組織作りとか、僕がそういう事が得意なので、社長になっても、変わらず自分の長所を発揮していくだけですから。適材適所で僕が社長になった、それだけだと思います。