自分に合った起業のカタチ
株式会社エイリスト / 酒井 一樹
私がジェイブレインを退社した時はリーマンショック後の不況時で、でもそれがチャン スだと思いました。 今まで人材紹介会社に人材を求めていた企業は、不況により、ハローワークなどに人材を求めるようになります。ただ、再び景気が回復した時には、そのどちらでもない新しいサービスが求められるのではないかと思いました。そのサービスを自分の手で作ろうと考え、半年間様々な経験を積み、起業をしました。
現在、主な事業内容は2つあります。
1つは就職に関するメディアを運営しています。今の学生は企業分析が足りないと言われているのを問題に感じ、ユーザーが各企業のSWOT分析を投稿し、閲覧できる「就活 SWOT」というサイトを運営しています。
もう1つは、企業のWebマーケティングを支援するビジネスです。お客さんの Webサイトを企画段階からのお手伝い、SEO対策などを利用してWebでの集客をお手伝い しています。
エイリストのHPにも書いてありますが、「自分の頭で考え、行動できる影響力のある人 材」を増やしたいと思ってます。
僕自身が就活をしていた時も、多くの就活生は自分の頭で考えず、まわりに合わせてリ クナビに登録したり、インターンを経験したりしているな〜ということを感じてきました。
リクナビやインターンシップの制度が悪いわけではないのですが、なぜ自分は就活をするのか?なんのためにインターンシップに参加するのか?という中身を考えずに「義務感」だけで行動している人があまりに多かったんです。
もちろん行動するのは大事だと思うんですが、目的を考えずに行動しても成果って少ないですよね。そういった人たちに対して、自分ができるのはネット上であれこれ騒ぐこ とだと思っていて。(笑)
「他の人とは違った視点を持った人がいる」 「なんかちょっと変わったウェブサイトがある」 そんなちょっとした取っ掛かりから、周りの人に「考えはじめるきっかけ」を発信できたらと思っています。 自分が学生だった頃は周りの学生に対して感じましたが、今は学生に限らず、社会人も、老若男女問わず「自分の頭で考える」人を増やしていきたいと思います。
そうですね。私は就活にリクナビを使いませんでした。企業のWebサイトを見ている だけでは全く会社についてわからなかったので、直接会社にアポイントをとって訪問し、 話を聞いていたりしました。他には、友人と情報交換をする会を開催したり、模擬面接会を開催したりしていました。
辛かったことを3つほど。 まず、過去にやっていたシェアハウス運営事業ですね。 シェアハウスってお客さんが一般消費者なのでBtoCじゃないですか。なので、入居者の方からダイレクトに意見やクレームをいただきます。もちろんそれはいいことでもある のですが、全ての入居者の方に納得のいくサービスを提供することは難しいんです。要望 の全部を全部聞いていたら、ビジネスとして破綻して、入居者の方達が住居を失うことに つながる。 現実と要望の接点を模索している途中でもクレームがやまなかった時期がありました。 その時が一つ目の辛かったことですね。
2つ目もシェアハウスなのですが、、資金繰りの問題です。最終的には黒字になりましたが、シェアハウスの初期投資には1件につき百数十万円必要です。最初のうちはそこの資金繰りが悩みの種でしたね。とても胃の痛い日々でした。 最後に、人の問題です。会社を立ち上げ少し経ったころから一緒に仕事をしていたメン バーがいました。以前からの知り合いで、心許せるメンバーだったんです。でもそのメンバーに「転職を考えてる」という話をされたときは精神的に辛かったですね。会社や僕自身に可能性を感じてもらえなかったのかな?という風に感じられて、他にも孤独感だ ったり、とても辛かったです。