「仕事=リアルな“お題”解決」
freee株式会社 /佐々木 大輔
リリースするまでfreee の構想を人に話しても、多くの人に理解されないし、失敗すると言われ続けたんです。そこで心折れそうになりながらも、「このサービスによってもっと楽になるし、時間も短縮される。」といった事実的な部分を心の支えにリリースまで漕ぎ着けました。途中挫折しそうな局面も何度もあったのですが、それでも結果が残ったので良かったです。
「リアルな課題解決」ですね。僕はケーススタディが苦手なんです。リアルな課題じゃないし、成果を出しても誰も嬉しくないし、社会にとってなんのインパクトもない。だから、大きくても小さくてもなにか世の中にインパクトがある、そんなリアルで複雑な課題解決によって誰かがハッピーになるっていうすごく面白いものが僕にとっての仕事なんじゃないかと思います。
役割の違いですね。起業家は0を1にする人。経営者はその先のスケールや運営をする人。例えば、ラクロスを発明した人は起業家で、ラクロスチームの部長は経営者なんです。だから経営者になりたい人は起業しなくて良くて、むしろ早い段階でスタートアップにジョインした方がいいと思います。そしたら経営者になれる確率はすごく高いですよ。一方で起業したい人は起業した方がいいと思いますね。
僕の時代は優秀な人が集まっている点で大手がよかったですが、今は大きく資金調達をしているスタートアップも増えていて、大手に限らず優秀な人達が多く集まっていて、周りから学べる環境がベンチャーでも揃っているんです。堂々と世の中を見るってことがベンチャー企業でももう実現できるようになっているので、ベンチャー企業と大企業っていうのはあまり比較にすらならないと思いますね。それより、「どれだけ会社の理念や目指していることに共感できるか」の方が重要ですね。
自分たちの集団のミッションをいきいきと説明出来て、なおかつそれが社内にとても浸透している人達はやっぱり強いと思います。例えば、競争が始まると、お客さんを見ないで横の他社競合ばかりを見てしまう企業が多いように思います。単純に競争している集団か、もう少し大きなミッションを掲げて、社会貢献のメッセージを持っている集団かどうかは大きな違いで出てくるんじゃないかと思います。
普通の学生だとできない経験をどんどんしたらいいと思います。よく「好きなことをやったらいい」と言いますが、僕はちょっと違うと思っています。というのも、人の好きなものって結構パターンが限られすぎているんです。みんなが好きなものって他にもやりたい人が多くいますし、結構やりつくされている可能性もあります。でも、世の中にはもっと解決すべき課題が知らないところにいっぱいあるんです。だから、ランダムでもいいのでインターンやNPOなどちょっと関係ないことをしてみる。普通の学生生活以外の経験から、普段見つけられない「お題」を見つけるといいと思います。