一度きりの人生を全力で生きる
弁護士ドットコム株式会社/元榮 太一郎
俗に言う安定と言われるものは、短期的に見れば安定思考ですが、長期的に見れば不安定思考です。人と同じ人生を歩むことでどれだけ埋没化、没個性化してしまうのか。時代を見ると、差別化を図った人達の方が自己実現している割合が多いように思います。私はむしろ「誰ともかぶらない生き方」を意識しています。だから、誰かと生き方がかぶっていると猛烈に焦りますね。差別化できていることで、紹介や注目もされやすいですし、その人しか持っていない知見を発揮しやすいです。差別化が出来るということは唯一無二な存在となれるので、ピーター・ティール氏の言う「独占から生まれるイノベーション」が実現できるようになります。優等生であればあるほど、メインストリームに行く傾向がありますが、その先を読んで、次代のメインストリームに集中する「先を読む力」が重要です。果たして、20年後、大企業に務めることがメインストリームになっているでしょうか?「読んで、仕掛けて、待つ」を意識してちょっとでも挑戦してみたらいいと思います。とは言え、いきなりは難しいと思うので、まずはアルバイトでちょっと違うことをしてみるとかでも良いのではないでしょうか。例えば私の場合は、周りが家庭教師をやるなかでひとり、「家庭教師の営業」をしていました。そうするうちに人と違う選択をすることの恐怖心がなくなっていくので、小さいチャレンジから人と違う事をやってみるのがいいと思います。
私の場合は、新聞やニュースを読む際にその事実を見ながら、「それで、これから世界はどうなる?日本はどうなる?業界はどうなる?」ということを考えるようにしています。ただ単に情報として入れるだけではなく、そこから妄想することで自分の中で仮説力がついてくるようになります。単なる情報収集ではなく、考えるという作業を加えることで読む力がついてくると思います。
やはり「差別化」の時代になっていくと思います。みんなと同じ生き方よりも、「どうやって人と違う味を出せるのか」ということに集中していくことによって、代替性のないビジネスパーソンとして市場価値を身につけられると思います。そのためにも、個性や差別化を意識し始めた方がいいのではないかと思います。
弁護士ドットコムと税理士ドットコムを専門家のプラットフォームとして、相談する際の基盤サービスとして確立し、法的セクターに頼らなくても橋渡しをしていけるような世界の構築を目指しています。また、法律×ITの分野で世界を代表するような成長をしていきたいとも思っておりして、例えば契約書の電子化であったり、あとはAI(人工知能)を使ったサービスも考えており、アジア展開も視野に入れています。
「一度きりの人生」ということを早めに気づいた人の方が行動力は高まるので、やはり「一度きりの人生を全力で生きる」と考えることは非常に大事だと思いますね。私は、「みんながリスクだと思っていることはリスクではない」と思います。命まで取られることはないので、なんでも果敢にチャレンジして欲しいですね。あとは、「正解を選ぶのではなく、選んだものを正解にする」ことが大事です。どんな挑戦でも選んだ以上、無理やり答えにする。そこが大学受験との違いです。大学受験には答えがありますよね?でも、人生に答えはない、答えに「する」ことしかないんです。若さ、気力、体力、いろいろなものが溢れている時期だと思うので、大いに挑戦してもらいたいと思います。