「人」にフォーカスしていきたい。
さくらインターネット株式会社 / 田中邦裕
2つの思いがありまして、1つは羨ましいという気持ちです。
私が小学生の頃は、すごくコストをかけて友達に電話するような時代でした。家に一台しか電話がなかったですし、会話は家族に筒抜けでしたので友達とのコミュニケーションがそれほど密にとれませんでした。
そういった意味では、今はインターネットの発達と共に様々なSNSもあります。世界中の人々とコミュニケーションが取れること、そのハードルが非常に低くなっていることが本当に羨ましいです。
2つ目は、不便なところから、やはり便利な新しいサービスが生まれると思っていますので、今の時代のように最初から便利ですと、発想が限定されてしまっている気はします。
それこそ15年前は、インターネットのサービスでは何をやっても新しかったですから。今の時代は昔みたいに単純にサービスを出しただけでは受け入れられないところに、業界のハードルの高さを感じます。
今後は、当社は「人」にフォーカスしていきたいと考えています。 当社の社員の中でも、更なる成長を望む者もいれば、現状維持で良いと思っている人等、色々な人がいますが、少なくともこの3年間でベクトルをみんなで成長しようという方向に向けることが重要だと思っています。個人が成長すれば会社の成長にもつながりますからね。
また、大きなビジョンとしては、インターネットを更に便利にしなければならないと考えています。16年前から今までずっとやってきた事業を突き詰めることが一つと、もう一つは、日本のサービスプロバイダは、「世界」を視野に入れて活躍していかないといけないと思っていますので、当社のサービスが世界各国で使われるようにしたいです。良い例が、Googleです。Googleは日本人の多くが利用していると思いますが、利用している本人は、アメリカのサービスだと意識して使用しませんよね。Facebookもそう。今の時代は、日本人も日常的に普通に海外で生まれたサービスを使っています。10年後を目安に、さくらインターネットというサービスが日本のサービスだと認識されないままに世界中の人々が使われているという状況まで持っていきたいです。
自分より優秀な人材をどんどん世に輩出していかなければならないと考えています。
場合によっては「自分を会社から追い出してやる」くらいの気概を持っている人を育てたいですね。それくらいの気概を持っている人がいないと会社は成長しないと思いますのでね。
社会に出ると、理不尽なこともたくさんありますし、社会に合わせていかないといけないとよく言われると思いますけど、私はあまり社会に合わせていかなくても良いと考えています。
私の経験上、学生時代にすごく尖っていた人が社会人になって丸くなってしまった、みたいなことをよく目にします。今時、少なくともITや営業、マーケティングにおいて、大学出て、多くの人は優秀ではないですから、誰かの下で学ぶよりも、自分でどんどんやっていったほうが良いと思います。 みなさんこれから就職する方も多いと思いますが、普通に就職すると学生時代に自分がすごく力を入れていたことや、頑張っていたことが、頑張れない環境に置かれます。 自分でやりたいことをやってみて、もし失敗したらまた次にチャレンジすれば良いだけです。大事なのは「本気」と「主体性」です。頑張って欲しいです。