中途半端でもいいから、まずは始めよう
株式会社Lang-8 代表取締役 / 喜洋洋
メンタルですかね。もともとマイナス思考でしたが、起業してからマイナス思考になっても、どうしようもありません。例えば問題に直面したときにマイナス思考でいても、上司や会社が助けてくれるわけではありません。結局自分で突破方法を考えて乗り越えないといけなくて、今あるもので、「どうやったらこれを乗り越えられるのだろう」「どうやったらこれをもっとよくできるのだろう」と考えるので、超プラス思考になりました。
また、すべては自己責任だと心の底から思えるようになりました。もし僕が就職していたら、うまくいかないことがあると、「上司が悪い、会社が悪い、取引先が悪い、世の中が悪い」と考えていたでしょう。しかし、起業して自分が代表を務めていると、そのようなことを言っても、誰も助けてくれる人はいません。これは自分の責任ではないと思うようなことでも、間接的に自分が関わっていて、それを選んだ自分が悪いということで、なんでも自己責任だと思うようになりました。
その上で、どうやったらうまくできたかと考えるようになったのは人生にとってプラスでした。
やっぱり面白いということですね。完全に自分事で、24時間そのことについて考えて真剣にやれるので、幸せだと思います。完全に自己責任なのは楽しいです。とは言っても最初からその感覚があったわけではありません。徐々にその感覚が芽生えて、一番大変だったことを乗り越えた時が一番その考え方になりましたね。
その一番大変だったことというのは、エンジニアの友人とケンカ別れしたことです。最初僕はプログラミングができず、エンジニアの友達が会社作って1年後に入ってきたのですが、仲がなかなかうまくいかず、当時は相手のせいにしていました。
今なら、先ほどの自己責任の発想で、「採用したのは自分だから」「そもそも自分がプログラミングできたらもっとうまくできたのではないか」と考えます。その人が辞めたときに、そのような自己責任の発想になりました。相手のせいにしていると、また採用に失敗したら、同じことを繰り返してしまうので、採用を気をつけるのと、自分がプログラミングを勉強しようという発想になりました。
「すべてが揃ってから」というのは一生やってきません。どの会社もお金や人や時間が足りないという状況でやっています。すべてが揃ってから起業しようと思ったら、一生始められないと思います。しかし、もちろん、成功する可能性をあげてから起業したほうがいいと思うので、インターンなどで経験を積んで、必要なものが分かってから起業するのはいいと思います。
準備すること自体は悪くありません。準備しすぎて、踏み出せないくらいなら、中途半端でもいいからまずは始めたほうがいいということです。
世界中の語学学習者の誰もがみんな知っているようなサービスにしたいと思っています。HiNativeもLang-8もネイティブスピーカーが持っている知識や経験をより流通させるのが目的です。ユーザー数は、1億人を目標にしています。Lang-8は現在ユーザー数100万人を超えているので、たった100倍だと思っています。リリース当初から考えると、今ならもっとうまくやれる自信があるので。
世の中の新しいものを作ってきたのは、新しいスタートアップや起業家なので、興味持って関わっていくと楽しいと思います。それと、大学生のうちに、英語圏に一年間休学してでも留学するのをお勧めします。英語ができれば、仕事の選択肢は広がります。
学生のうちにお金がないからと思って、海外へ行かなかった人に限って、社会人になってから行っておけばよかったと思うことになります。社会人では1週間以上休みを取るのは難しいです。
目的もなく留学をするのはよくないとよく聞きますが、準備しないと起業できないのと同じで、目的がないとしても行かないより行ったほうがいいです。干からびた雑巾を水の中に入れるように吸収できることがあるので、いろいろ理論付けて行かないくらいなら、何も考えずに留学したほうがいいですよ。