やるなら全部捨てる
株式会社coco代表 / 高橋俊介
株式会社coco 代表取締役社長
1990年生まれ、群馬県出身
2009年慶應義塾大学理工学部入学、2013年、同大学を中退し、株式会社cocoを設立。
【代表のプロフィール等】http://shunsuketakahashi.me/
前面に出しているのは「統計情報が驚くほど簡単に検索できるサービス Graph」という、統計情報検索サービスです。さらに、それを企業の新規事業担当者向けの市場調査サービスに特化しているところです。 現在はアップデート中で、色々と模索している段階です。例えば、自動車関連のサービスであるとき「自動車」で調べて、検索をかけるだけで自動車産業の市場規模の推移や主要なプレイヤーが分かります。国内外併せて50の産業の情報が一発で検索できるというサービスを、10月末にリリース予定です。 自動車産業であれば、パッと1番必要とするであろうデータを先に整理しておいて、1番見やすい形で提供する。新規事業担当者の方がこれを見れば、だいたいその業界で主要なプレイヤーと海外の類似例がわかるから、後はそれを参考にして進めるだけ。ポイントは、今まで「調べること」に使っていた時間を、「考える時間」変えることができるサービスです。
登記したのは2013年1月。結構、前なんです。 そもそも、大学入学当初は、ビジネスには全く興味はなかったです。高校生の時には物理雑誌「ニュートン」を読んでいて、物理がすごく好きでした。学者になって、世の中の起きることを全て数式にして予測できたら「ありとあらゆる問題が全部解決するだろう」という思いで大学を目指しました。 キッカケとしては、世の中をひとつの公式で記述するというのを物理学全体で目指しているけれど、実現するには1000年かかると分かってしまったこと。そこで、たまたまAIESECという団体に入って、そこでの活動を通じて色んな起業家の人に出会い、理想を実現するには、企業としてのやり方もあるんだと気がついたことですね。AIESECでは営業等を通じて、たくさんの企業を訪問しました。そこで初めて、経営者の方々にお会いしました。大学2年生の夏に「君には起業が向いている」と言われたところから、意識し出しましたね。そして、僕は海外ボランティアにも行っていたのですが、渡航先で、僕がおこなった活動よりも、Facebookの方が圧倒的にその地域の方を救っている現状に気がついたんですね。物理は時間がかかるし、起業を勧められた、実際企業が世の中を変えている現実があるなど、そうした色々なことが重なって、大学生活の4年目でAIESECを引退した後にプログラミングを勉強し、その年に「よし、やろう」と学校を中退して、起業しました。
その時、2回目の留年が決まっていました。大学残り2年通うか、起業するか。学校に行きながら起業というのは、理工学部ではきついものがあります。どちらの方がリスク少ないか、自分のためになるかって、どう考えても後者だったんですよ。迷った、とかはなかったですね。 むしろ、悩んだのはどう親を説得するか、周りに説明するかで、それが1番大変でした。会社を作ってしまって、ほぼ大学にも話をつけてから親には説明しました。親には、分かってもらいましたね。しかし、3ヶ月で会社をダメにしてしまったわけです。
当時、色々な問題がありましたが、まず当時プログラミングが出来ると言っても、そこまでの技量はなく、プロダクトの主要な部分を他の人に任せていたんですね。そうするとやはり、主要なところを担っている人がメインになっていくわけです。やりたい方向と違う形になり始めて、亀裂が入っていきました。さらに、一度サービスを公開したのですが、その反応もとても悪く、今度は僕自体の信用がなくなって、一緒にやる意味がなくなっていくんです。それで結果、やめることになりました。僕の企画力のなさや、開発力の問題、メンバーのパワーバランス、チームビルディングの問題などから、なかなかひとつの方向に進めなかったのと、僕のマネジメント力もなかったのと、原因は色々ですね。
いえ、その後は行動の責任を絶対に自分で取れるようにしようと、コードも自分で書くようになったので、最近は組織運用という点では順調にまわるようになってきました。あれから1年半経ち、自分の得意なことや不得意なことも前より分かるようになり、他の人に任せられるようになりました。