やるなら全部捨てる
株式会社coco代表 / 高橋俊介
逆に起業しないで就職したら、ずっと後悔しながら働くことになるって確信していました。 中学生の時にすごくダラダラ過ごして何もかも中途半端に終わったことをとても後悔していて、高校生になったらテニスに没頭すると決めました。テニスは、中学3年生の時点では部長として1回戦負けという結果を残してしまったのですが、高校生では個人でもダブルスで群馬県2位、キャプテンとして団体戦も公立校から勝ち抜いて、関東戦に勝って全国に導きました。 これらの経験から、後悔しないために、ひとつのことを選んで目標を決めて突き詰めることが身に付きました。今回も同様に、やらなければ後悔すると分かっているのだからやろう、というのが1番強かったですね。なぜ後悔するのかはよく分からないですが、どこかで「自分なら出来る」と思っているところがあるからかもしれません。
中高の時代の体験もありますが、AIESECの体験もありますね。AIESECは世界全体で2000大学、8万人のメンバーがいて、オランダに本部があって、各国に支部があって、さらに国の中に大学委員会に分かれてやっているんですね。そのAIESEC慶応委員会で当時、副委員長で、アジア数百大学委員会あるうちの慶応委員会がその中で1位になって表彰されたんです。その時に力を注いでいた僕の新しい施策が当たりまくりました。そういう経験もあって、自分なら出来ると感じているのだと思います。
僕がいま1番やりたいことは「人と一緒に働く人工知能」を作ることなんです。今世界が向かっている先は「人工知能」です。それが出来たらゴールです。ビジネスサービス市場が1兆円近くあり、そのうちのコンサルティングは2000億円ほどあって、そういう領域を機械化できたらと思っています。今までのコンピュータは「人の道具になるコンピュータ」だったんですね。今は人工知能が流行っていますが、その一方で「人のために働く人工知能」はまだ少し早いんです。いわゆる「シングラリティ」って話で、2045年に来ると言われています。何が起きるとそれが来るのかって言うのは、僕の勝手な予測ですが、量子コンピュータが実現した瞬間ですね。今のコンピュータでも十分Windows95の頃からしたら進化していますが、それとは比べ物にならないくらい進化します。それが出来た瞬間、間違いなくコンピュータは人間を超えると感じています。それまで、十分すごい現段階で目指すべきものが「人間と一緒に働く人工知能」というわけです。 実際、この「Graph」も、今まで僕たちが「調べる」ことをしていたものを、勝手にやっています。ちなみに、この見た目はデータを集めて表示しているだけに見えるかもしれないですが、人工知能がすごく働いていて、データを集めています。しかし、それだけではダメで、人の手で修正してあげなきゃいけないんですね。表面的に見えているのはすごくシンプルなものですが、裏ではかなり大変なことをやっています。僕は「Graph」を「コンサルタントと働くもの」ではなく「コンサルタント」にしようと考えているのです。
1番大事なことは、しっかり目標を決めることです。真似すべき人、読むべき本、どのアドバイスを受け入れるか、何をすべきか、などの判断軸は「何がしたいか」です。 学生の悩みはゴールが不明確だから起こることがほとんどだと思います。周りから見ても安心で、賞賛されやすい賢く得する選択をしようとするから決められないんです。決めるのはすごく勇気が必要だし、頭が良くなければできないし、考え抜かなければできないです。決めるってことはそれだけ大変なことだと認識した上で、しっかり「決める」ことをすべきだと思います。 「いつまでに何がしたいか」まずそれが決まればやるべきことが決まります。次に、それをやるだけです。“明確にする”というのは、その他のたくさんの選択肢を捨てることです。それで成功できるわけではありませんが、ようやく1歩目を踏み出せるようになります。