「諦めること」を諦める
株式会社リッチメディア 代表取締役 / 坂本幸蔵
起業した当初は、「ヒト・モノ・カネ」全てありませんでした。お金については、自分の私財を全て売り、友人たちに頼み込んでなんとか作ることができました。 それから人に関しては、最初に大阪に住んでいた親友を呼びました。カフェで待ち合わせて開口一番、「お前、明日から東京ね」と(笑)。あまりに突然のことだったので彼も驚いていましたが、一週間後に東京に来てもらい、一緒に仕事を始められるようになりました。
私自身は、巻き込んでいる感覚はあまりありませんが、私の「思いの強さ」とこれまでの信頼が人を巻き込む大きな要素になっているのかもしれませんね。やはり起業をする時に「やりたい!」という思いがあっても、それが強くなければ意味がありません。思いが強ければ強いほど、多くの人が応援してくれるし、一緒に働いてくれる人も増えるのではないかと思います。また、思いと同時にこれまでの実績積み上げや約束を守るなどの行動が信頼につながり、その信頼の残高が相手に伝わると決断に変えてくれるのだと思います。
はい。正直、会社を立ち上げるのは本当に大変です。だから、中途半端な気持ちでは絶対にやるべきではないと思います。現在、日本で10年間継続している会社は数%しかありません。ということは、100社あった会社のうち、数社しか生き残れないのです。 起業をするならば、それほど激しい競争の中で戦えるほどの「思いの強さ」があるのか?ということを、今一度考えてほしいです。「本当に自分のやりたいこと」をハッキリと明確にし、そこに強い思いがあってこそ、起業すべきなのではないかと思います。
今の時代、資金調達をすることがとても簡単になってきています。それはとても良いことですが、そのせいで勘違いをしている人が多いのではないかと思います。皆さんに知っておいて欲しいのは、「資金調達が簡単=経営が簡単」ということではないということです。会社は、お金を集めてからが勝負なのです。資金調達をするということは、そこに「責任」が生じるということです。この大きな責任を果たすための経営こそが、何よりも大変なのです。
私が意志を貫き通せるのは、自分の「使命」を持っているからです。私は、「できないことなんて無い」「変われない人間はいない」ということを世の中に伝えたいと強く思っています。そしてそれを伝えるためには、自分自身が「変われない人間はいない」という考え方を体現していなければなりません。だからこそ、私は途中で諦めたりすることは絶対にせず、自分の意志を貫き通します。リッチメディアのメンバーには、そんな私の姿勢を見てついてきてもらっているので、「もし自分が諦めるようなことがあれば、経営者を辞める」という覚悟で、日々仕事をしています。
私は、「諦めること」を諦めています。「諦めること」をやめる、と最初から決めてしまえば、そもそも行動するしかないからです。私は何事においても納得のいくまでやり続けるので、一度も逃げたことはありません。その分、傷を負うことも非常に多いですが(笑)。