「人」の好きなことを、「人」と共に広める
株式会社CINRA代表取取締役/杉浦太一
1982年東京生まれ。2003年の大学在学中にCINRAを立ち上げる。
2006年、大学卒業と同時に株式会社化、代表取締役に就任。 現在、アート、デザイン、音楽、映画などのカルチャーポータルサイト『CINRA.NET』の運営や、 企業のオンラインマーケティング支援や広告制作など、「幸せのきっかけを、多くの人に届ける」をミッションとして 活動中。
2013年にはシンガポール支社設立のため半移住生活を送り、日本のカルチャーを世界に発信するメディアの企画・制作を行う。
10年来変わらない髪型とカクカクした骨格から、一部の人から「ポリゴン」と囁かれる。
株式会社CINRA : http://www.cinra.co.jp/
もともと、音楽バンドをやっていました。中1からギターをやっていて、高校生の頃にバンドを組んで、大学に入ってからはかなり本気でやっていました。でも、よくある話しですが、色んな方向性の違いでバンドが崩壊してしまいまして(笑)。バンド活動をやるために大学を1年間休学していたのですが、解散しちゃって時間もたっぷりとあったので、色々と考えてたんです。そこで、「自分は、アーティストたちの声を拾ったり、広めていくような活動が合っているかもしれない」と思い、CINRAを立ち上げました。本屋さんでホームページの作り方の本を買ってきて、1ページ1ページ熟読して試行錯誤しながらホームページを作りました。知り合いのバンドの音源や、アーティストの作品の画像などを集めて、若手アーティストのポートフォリオサイトを作ったのが2003年、CINRAの始まりです。
Photo by Nariko Nakamura
そうですね。学生の頃は30~40人ほどメンバーが居て、学生のサークル活動みたいなかんじでした。そうしているうちに、大人の人たちが面白がってくれて、「うちの会社のWebサイト作ってくれないかな」というお話がちらほらきはじめて。「あれ、これもしかすると仕事になるんじゃないか?」と。それで学生のうちに個人事業主として登記して1年ほど営業し、大学卒業と同時に株式会社にしました。
そうですね。ただ、起業前は2つの選択肢で迷っていました。大学を卒業してそのまま会社を立ち上げるか、一旦就職して2、3年働いてから起業するか……。ひとまず、某大手企業のインターンに参加してみたんですが、これがとても楽しかったんで、余計に悩みましたね。でも、数年後に辞めることを考えながら就職して仕事をするのは、相手の企業にも失礼ですし、自分としても本気になれないような気がしました。どうせ失敗しても24、25歳なら、まだ再就職のチャンスはあるだろうし、ひとまず起業してみよう、となりました。
そうですね、確かに効率よくスキルを習得するという点では、就職の方が勝るのかもしれません。でも、就職すると、大きい会社だと特に様々な保証があるので、そこから自分で一から始めるというのは、相当な覚悟が必要になると思います。僕の周りでも社会人3年目くらいで「俺も起業したい!」と意気込んでいた知人が何人かいたのですが、最終的にはひとりも起業しませんでした。そういう意味でも、学生から起業するということは、そもそも社会を知らない分、むしろハードルが低いのではないかと僕は思います。すべては後づけですが(笑)。