自分の信じている道しか正しい道はない
CROSS Business Producers (CROSS株式会社) / 三木言葉
今の事業に辿り着いた原体験は学生時に参加したCNN東京オフィスでのプロデューサーインターンです。インターン中にインターンであるにも関わらず、プロデューサーの基本的な仕事にチャレンジさせていただく機会に恵まれました。私が定常的にやらないといけない業務としては、例えば週次で製作しているフィーチャー(特集)という5〜10分の特集で取り上げる話題のネタ出しとフィーチャー製作のお手伝いでした。当時、フィーチャーで取り上げる話題のアイデアを考えている際に「中小企業で社長を務める3人の40〜50代の方が一緒に武蔵野のホテルの一室で首をつって亡くなる」という事件がありました。当時の経済は不安定で、私は、この件の背景にある経済問題に焦点を当てたフィーチャーを組みたいと案を出し、それが採用されました。後にこの特集はCNN Englishという雑誌にも掲載され、評価を頂きました。
その動画を制作する過程の中ですごく大きな学びがありました。その事件の渦中にいる三社中、二社はもう潰れてしまっていました。最後の一社は専務の方が会社を継いでいて、なんとか続いていました。その方に取材をお願いしたのですが、他のメディアに心なきことを書かれた為に最初は断られました。しかしながら、「私たちはメディアの一つではあるけれど、批判をしたいのではなく、こんなことが二度と起こらないように人に伝えたい。私に今できることは伝えることだけだから」と一生懸命に思いを伝えると、インタビューを承諾して頂くことができました。
その時、取材は成功に終わりましたが、後で心の中がもやもやしました。私が「やりたい仕事は本当にただ人に何かを伝えることなのか?」と疑問を抱くきっかけになりました。伝えるのは大切ですが、取材の仕事をしている時、自分が外から見ているだけだと感じました。その取材をした人達の気持ちを本当に考えていたつもりです。でも「あの人たちが本当にしてもらいたかったことは伝えてもらうことではない」と気付きました。
その人達を助けるには「お金を回していく中で困っていること」を無くせば良いと思うようになりました。そして、後に自分が結局やりたいことは「ビジネスを創っていくこと」だと分かりました。
そういう訳ではなかったです。自分が世の中を変えたいと思っていても、大人からすれば、「誰だって世の中を変えたいと思っている」って片付けられます。会社説明やパンフレットを見ても、そこで何が実際にできるのかが紐付け出来ていないと思いました。だから、どこの会社に行くべきか分からなかった。ただ四年生になるときには自分がやりたいことはなんとなくさっきに述べたように分かっていました。
色々体験するしかないです。トライ&エラーで色んな業界に首を突っ込む中で自分の好きなことと嫌いなことが分かってきます。そうすると、就職先で実際に何ができるのかが見えてきます。私の場合はバイトやインターンなどの体験が就職を決める上で自分の方向性を見極める役に立ちました。
ファーストキャリアである、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)もその後に務めた富士通も大会社で決められた枠というものがあります。その中で、自分の新しいビジネスを創るには仕事の方法を変える必要があると感じました。でも、ファーストキャリアで死ぬほど働いたからこそ、仕事ができるようになりました。