決断する経営者は、メタルスライムを倒して強くなる
ウェルプレイド・ライゼスト / 代表 谷田優也
ウェルプレイド・ライゼスト代表 谷田優也
IPコンテンツプロデューサーなどを経て、2015年11月に前進のウェルプレイドを設立。21年2月、eスポーツ・エンターテインメント企業のライゼストとの合併を経て、ウェルプレイド・ライゼストの代表取締役へ就任。22年、東証グロース市場へ上場。
ゲームをやり込んできた青春時代が強烈な原体験になっていると思います。自分自身、趣味の格闘ゲームで有名になったときに、「ゲームの主役である僕みたいな選手が活躍できる舞台はもっと他にあるんじゃないか」と考えたことが始まりです。選手にそういった活躍の場を与え、多くの人にeスポーツの魅力を届けることで、「ゲームなんて」という世間の目を変えたかったのです。
その手段として最初に考えたのがオリンピックです。どれだけマイナーなスポーツでも、オリンピックで採用されて日本人が活躍すると、印象が変わることってあるじゃないですか。そんな既存の価値観や印象を強烈に払拭するスポーツの祭典に、eスポーツが採用される日が来たらいいなとか、そんな取り組み関わりたいなとか、ただ憧れるだけの自分がダサいなと思って、であれば誰かがやる前にとりあえずやろうという気持ちで会社を立ち上げました。
ウェブディレクターやゲームメーカーでの経験に加え、キャラクターIPビジネスに携わってきた経験が活きました。そのキャリアの中で、クリエイターは自身が作ったコンテンツの価値を正しく理解している人と、仕事がしたいのだなと感じることがあったので、eスポーツビジネスを始める際にも大事にしていこうと決めていました。
あとは、eスポーツと呼ばれる以上、スポーツと似たような興行モデルになる可能性があると予想していました。しかし、ただスポーツ業界と同じことをやっていくと、スポーツで解決できなかった課題で同じように引っかかってしまう可能性があるので、どう対処していくのかも含めて考えるようにしていました。
人脈を大切にするということかもしれないですね。やはりどれだけ優秀な人でも1馬力だと限界があるので、人の縁を大事にできるかどうかは大きいと思います。
ただし、ここで勘違いしてはいけないのが、人脈は誰かに繋がっている力ではなく、誰かに思い出してもらえる力だということです。だからこそ、ときには利益だけでなく、その人の助けになるかということも含めて、縁を作り続けていくことが肝心です。
その際に意識しているのが、相手に「面白そうな人だな」「変わっている人だな」という引っかかりを持たせることです。社員やクライアントなど、関わるすべての人に対して友達になれたらいいなと本気で思っていると、相手もそれを感じ取ってくれて、それが思い出してもらえるきっかけになると信じています。知り合いだと思い出せないことはあっても、友達であれば思い出すことができるのです。