決断する経営者は、メタルスライムを倒して強くなる
ウェルプレイド・ライゼスト / 代表 谷田優也
決断と開示と共有。
一般的に、起業家や社長は、社員と比べて成長が早いと言われているのですが、その原因は”決断の数”にあると私は考えています。その決断の数が多い分、他の社員がスライムを倒している間に、経営者はメタルスライムを倒すことができるわけです。
これは、社員にも通ずる話だとは思うのですが、起業家にとって恐らく最も重要なのは、失敗を恐れずにどんどん決断をこなしていく姿勢。決めないというのが、1番よくないと思います。
いざ決断を数こなしていくと、やはり自分だけでは決めきれないことがたくさん出てきます。そこで大事になるのが、周りに対して自己開示と共有をするということです。
例えば、友達から恋愛相談されたときに、自然とその人の恋愛を成就させようとするマインドが生まれることって、誰しもが経験しているはずで、詰まるところ、自分の悩みを周りに打ち明けたその瞬間に、相談した相手は自分の仲間になってくれるものです。
逆にこういったコミュニケーションができない経営者は、周りからみて「(経営者が)ひとりで解決しようと思っているのか」 「誰かに助けを求めているのか」がわからないので、全然大成しないと思います。
つまり、たくさん決断して、悩みを共有して、自分にはできないことを開示していくと、それを解決するために手助けをしてくれる仲間と一緒に、また決断ができるようになるといった好循環を生み出すことができます。
最も効果的だったのは、34の資質の中から特徴的な資質を5つ抽出してくれる「ストレングスファインダー」というツールです。
私は全社員にそれを共有しているので、私の苦手な物事を社員の方から請け負ってくれることが多々あります。社員の皆が、仕事は偉い人がするものではなくて、問題の解決に向けて 1番やるべき人がやればいいということを理解してくれています。
実際、会社として何をやって何をやらないのかを決める際にも、開示した方が様々な意見を取り入れることができ、スムーズに進むことが多かったように思います。
まず大前提、起業をゴールにしないことです。ビジョンやありたい姿が先にあって、それを実現する手段として起業があるだけなので、何のためにやりたいのかというのを明確にする必要があると思います。
そのうえで、チャレンジに対して寛容であることが重要だと考えています。理論上うまくいくようなことだけでは、ビジネスは成功しません。全部AIが計算したビジネスだけやっていると、皆億万長者かといったらそうではありません。これが人間社会のビジネスで一番面白いところだと思うので、多少荒くてもまずは動いてみる・実験してみて初めて、成長できると思います。
宇宙兄弟のシャロン先生の『迷ったときは、どっちが楽しいかで決めなさい』という言葉があります。私自身難易度の高さを感じつつ会社を合併したのは、その再現性のなさに面白さを見出したからであって、そうやって夢中になっているうちは無敵だと思います。
スーパーマリオがスターを取っているときって無敵なだけではなくて、実は音楽もちょっと速くなっていて、スピードも速くなっています。夢中の景色というものには、色々な困難を加速度的に超える力があるので、その状態を信じてみてください。