「誰しも人生には挑戦するための弾を3発持っている」
マクロパス株式会社 代表取締役/及川厚博
情報収集をもっと早い段階から開始していたかったですね。私は大学3年までは大学生活を会計の勉強に費やしていたのですが、大学1年から学生起業や長期インターンにも関心が持てていればもっと良かったと思っています。私がインターンという存在を知ったのは就職活動を始めた後でしたからね。早いうちから将来のキャリアについて考えることのできる機会を多く得た方が良いと思います。そのためには、やはり長期インターンに参加して社会人や意識の高い学生達と関わっていくことが1番良いのではないかと思います。
学生起業の良いところは、目標に対して最短距離で行動できるということです。当時は「起業」そのものが目標だったので、まず「起業」を実際に体験できたことは私にとって本当に良い経験となりました。
私には「人生は誰しも挑戦するための弾を3発持っている」という持論があります。1発目が20歳〜25歳、2発目が25歳〜30歳、そして3発目が30歳〜35歳というように、各年齢にそれぞれ「挑戦という弾」を撃ち込むことのできるチャンスがあるんです。もちろん挑戦の規模によりますが、私は1つの挑戦を成し遂げるためには5年ほどは必要と考えおり、5年あれば検証から実証まで一通りできると考えています。なぜ35歳以降に挑戦の弾がないかと言うと、多くの人は35歳を超えると成長の伸びが止まってくると言われているからです。これは某大手企業の創業者も同じ内容のことを仰っています。
私の場合、全く経験の無い状態で撃ち込んだ「起業」という「1発目の挑戦の弾」が偶然当たったのでラッキーだったわけですが、もしも1発目が外れていたとしても、2発目、3発目を撃ち直すための時間は十分にありました。だから仮に1発目、2発目が上手くいかなかったとしても、3発目は今までの経験をフルに動員して挑戦できますよね。当然今までで一番成功する確度も高まります。いずれにせよ私は挑戦する回数を最大限に活かすという点において学生起業はとてもメリットがあると考えています。
学生起業のデメリットになりやすいと思う部分は、学生起業で選択できるビジネスとして、「IT」か「人材」か「イベント」もしくは「受託」になってしまいがちなところですね。学生にはお金がありませんし、専門的なスキルや知識も不足しがちなため、できる事が限られてしまいます。例えば、石油ベンチャーなんて専門的な知識やスキルがないと作れませんよね?
社会にイノベーションを興すようなビジネスを行うなら、一度企業に入って専門的な知識やスキルを学べている方が良いと思います。専門性のある業界のビジネスは、どうしてもその業界に入って現場を経験しない事にはビジネスを始めるのは難しいです。その点で、学生起業からそのまま社会に入っていくと、そこからでは専門的な業界について学びづらくなってしまうのが欠点と言えるかもしれませんね。