インターネットによる「アパート経営のプラットフォーム」を作る起業家
株式会社インベスターズクラウド 代表取締役 / 古木 大咲
最初はとにかく自分で自分の給与を稼がないといけませんし、まずオフィスを借りる必要が出ます。オフィスの家賃が月10万円だとしても「本当に毎月10万円を払っていけるのだろうか」とか、社員を1人採用しただけでも「毎月25万円の給与を支払う必要がある。本当に自分はやっていけるのだろうか」という心配や悩みは尽きませでした。しかも私が社員のことを想っているつもりでも、社員からは文句を言われて思わぬショックを受けた経験もあります。何事も簡単ではなく、大変な日々の連続でしたね。
そうした中で、私が起業して非常に強く実感したことがあります。
それは「経営者になること以外に経営の勉強はできない」ということでした。
起業して経営者として成功したいと考えているのであれば、早く起業して経営の勉強をするのが一番良い方法だと今では思いますね。
起業するときは私もすごく不安でした。「本当にやっていけるのかな」と思っていましたね。実際に起業してからは、あえて自分を追い込むようにしていました。起業した3ヶ月後にはオフィスを借りて、「半年後にはもっと良いオフィスに移る」と腹を括っていたのです。移転後は、「半年後にさらに良いオフィスに移ろう」と決めていました。 シンプルな方法で良いので目標を決めて、自分にどんどんプレッシャーをかけていくことで、やらなければいけない状況を作るようにしていましたね。
私は過去の人生において、なんとなくのフリーター生活を経験していたので、何事にも初めからバイタリティを持って「やるぞ!」と思い切れるタイプでもなかったのです。私も自分自身を良く理解していたので、私の場合は自ら自分を追い詰めないと良い結果は出せないと知っていたからこその行動でしたね。
実は営業マン時代の経験は、自分でもびっくりするくらい起業後には役立ちませんでした。
先ほど起業するときには非常に不安を感じていたと言いましたが、それとは逆に、サラリーマン時代は営業マンとしてそれなりの成果を出せているという自信もあり、実は当時は起業することに漠然とした自信を感じていました。矛盾したようなことを言っているようですが、なぜ私がこの漠然とした自信をもっていたのかというと、営業マン時代に培った経験は全て起業に役立つと考えていたからなのです。
しかし、起業してみて分かったことは「営業マン時代に培った営業ノウハウなどは全く役に立たない」ということでした。
もちろん不動産の基本的な知識などは役に立っていますが、起業するとサラリーマン営業とは全く違う営業スキルが求められるようになるのです。
例えばサラリーマンの時、私は地元でも名のある企業で営業マンをしていました。訪問先に名刺を渡せば、それだけで相手からある程度の信頼を得ることも簡単でした。しかし、自分で起業した会社の名刺を渡すと、訪問先からとても怪しい目で見られるようになったのです。相手は私の会社のことも、私自身のことも全く知らないわけですから、営業以前に私が怪しい人間ではないことから説明しないといけなくなったのです。正直サラリーマン時代と比べ物にならないくらい営業が大変になりましたね。
「経営者の勉強は起業してからでないと学べないことが多すぎる」と、その時になって気がつきました。
基本的には「経営者になること以外に経営の勉強はできない」と考えて欲しいのですが、もしくは「起業して間もないベンチャー企業に入って社長のすぐ側で起業の勉強をさせてもらう」方法もあると思います。つまり企業インターンがおすすめです。
学生に戻れるなら私も企業インターンに参加したいと思います。
即ベンチャー企業に入って社長の側で経営の勉強をさせてもらいますね。できるだけ人数が少なくて、経営陣に近い位置で活躍できるベンチャーのインターンが最高です。
ちなみに、その際の職種はあまりこだわらないです。僕は人に役立つことであれば儲かると信じているので、わざわざ事業のトレンドを追う必要もないと考えています。
特定の分野にこだわるよりは、経営陣に近い位置で活躍できるベンチャー企業でインターンできる方が何倍も学びが大きいと思います。学生が将来社長を目指すのであれば、これが一番良い方法だと私は思います。