『サイバーエージェント子会社社長の告白』
【第13弾】
AWA 小野社長
「折り合いのつかないものを抱える」
〜大きなリングに立つために、目の前のリングに全力を出す〜
『サイバーエージェントのグループ会社の社長インタビュー連載企画:第13弾』
AWA株式会社 小野 哲太郎
仕事の中では、理想と現実のギャップや、あちらを立てればこちらが立たずというような状況や、サービス開発で言えば「品質とスピード」や「サービス拡大とコスト」など、考えても考えても答えが見えてこない矛盾みたいなものが日々目の前に現れてきます。
そういった、折り合いのつかない状況では「今日はいい仕事ができたな」と気持ちよく眠れることも無いですし、心配事が頭の中からなくなることもありません。なかなかストレスが高いですし、投げ出したい気持ちに苛まれることもよくあります。
ただ、そういった状況はきっと上司などの誰かが解決してくれるだろうと思い込み、自分は逃げるのか、
自分が解決してやろうと悶々と向き合い続けるかで、人間の成長は大きく変わってくると思っています。
なので、折り合いのつかないものをたくさん抱える場所に身を置くという意識を大切にしています。
気持ちよく眠れている時の方が本当は良くない状態だと思うようにする感じです。
「言うことは壮大に、やることは愚直に」ということを大切にしています。
これは、サイバーエージェントでもよく言う教えです。
何の夢もなくて、ただ与えられたことをやるだけでは何も成し遂げられませんが、野望のような大きな夢を大切にしながらもそれ以上に、今目の前にあることに対して全力を注ぎ、期待以上のパフォーマンスを発揮することが、自分を目指す方向へ連れて行ってくれる唯一の方法だと思います。
私が、藤田に言われて心に残っている
「見栄を張る人に大役は任せない」という言葉があります。
私は20代の頃、、実力派のメンバーに囲まれ、周りに対する劣等感が大きく、その中でも、なんとか存在感を示そうと、見栄を張っていました。
「自分にもできるから、もっと大きなフィールドを与えてくれ」、「もっと大きなリングに立たせてくれ」という気持ちばかりが先行し、目の前の仕事に全力を出せていませんでした。
本当は、努力し続けて、今いる小さなリングで勝つことができれば、自然と次の大きなリングに行ける。
ただそれだけのことなのに、目の前の小さなことをおざなりにして、大きなものばかりを求めていました。
大きなリングに立ちたいなら、まずは目の前の小さなリングに全力で挑むことです。
小さなリングで成果を出すことで、周りから信頼されて自分のやりたい方向に少しずつ進むことができ、それを続けていくことで、気づいたら、いつの間にか大きなリングにたどり着いているのだと思います。
「言うことは壮大に、やることは愚直に」
大きな夢を見ることはとても大切ですが、足元の現実に一つずつ折り合いをつけていくことを大切にしたいです。
本記事の作成者:黒田訓英