『サイバーエージェント子会社社長の告白』
【第19弾】
サイバーエージェント取締役/アプリボット代表取締役 浮田社長
「過去への後悔は1ミリもない」〜自分に正直に自責の決断を〜
『サイバーエージェントのグループ会社の社長インタビュー連載企画:第19弾』
株式会社サイバーエージェント取締役 /株式会社アプリボット代表取締役社長 浮田 光樹
よかったことは、変化を恐れずにリスクを取れたことだと思います。
元々アプリボットは、スマートフォンで何かの事業をするということだけ決まっていて、それ以外は何も決まっていませんでした。
最初は、広告事業そしてアプリ事業と事業を展開していきましたが、スマートフォンゲーム市場が伸びてきたタイミングで、うまくいっていたアプリ事業を譲渡しゲーム事業に舵を切りました。結果スマートフォンゲーム市場の波に乗ることができたと思っています。
市場は変化していくので、その度にポイントを決めてリスクを取ることが大事だと思います。
あとは、早い段階で自分の実力のなさを実感できたことですかね。
学生時代に、ゼロからアプリボットの立ち上げに携わりました。当初は全くなにもできなくて、このままだと「よい経験をさせてもらいました」で終わってしまうという焦りから、とにかく誰よりも働こうと考えました。
最初は質を出せない、それならば量をこなすことで、質を高めていこうと、それもものすごいスピードでと。
みんながやっていない時に、自分がどれだけ頑張れるか。
そういう小さな積み重ねが力になりますし、自信にもつながったと思います。
過去を振り返って後悔するということはしないようにしています。
昔の決断も、それは、私が決めたことなので。
過去を振り返ったら、「こうしておけば良かった」ということは、たくさんありますが、それは、逆も然りです。
もし、後悔したことがうまくいっていたら、今うまくいっていることが、逆にうまくいっていなかったかもしれない。
過去のことを後悔したところで、今が変わるわけではないので、タラレバの話は考えないようにしています。
決断も発言も、今の自分の本当にやるべきだと思っている選択をすること。
そうすれば、過去を振り返った時に、「過去の自分はそれが正しいと思っていたのだ」と振り返ることができると思います。
そして決断したら、それを会社や、他の誰かのせいにせず、
すべては自分の責任なのだという自責の意識を持つことが重要だと思います。
「ネット情報に惑わされず、自分の信念を貫いてほしい」です。
ネットの情報量が増え、ネットに対する社会的な信頼度も昔よりも大きくなっている今、ネット社会に迎合することは、怖いと思います。
ネットだと、相手の顔が見えないため、言いやす過ぎる環境になってしまっているため、言いたいことを言い放題で、たとえ嘘の情報であっても言えてしまう。
それでいて、すぐに関係を切ることもできる。
自分で確かめてもいないのに、そういった世界の価値観を信じ過ぎるのは危ないと思います。
得た情報を実際の自分の生活や行動に反映させるかどうかは、ちゃんと自分の価値観で判断する。
世の中の流れに巻き込まれ、芯のない自分にならないように自分の信念をもってそれを貫いていってほしいと思います。
本記事の作成者:黒田訓英