起業家インタビューのthe Entrepreneur(アントレプレナー)インターンの大学生が起業家へ取材！

好き嫌い関係なくとりあえず試してみて嫌ならやめればいいんですよ。

片岡さんが感じた起業の魅力はありますでしょうか。

　全くありませんでした。起業は30万くらい諸経費を持ってお世話になっている税理士さんのところにいけばできます。起業自体に魅力はありません。僕が個人事務所から株式会社にしたのも、その方が何かと便利なことが多いと教えてもらったからです。去年の12月に一般社団法人日本アドボカシー協会を立ち上げました。代表理事もやっています。「アドボカシー」とは、現在シリアではこんなことが起きていますというように、様々な声を「代弁」するという意味です。何かとネット社会では一方方向に世論が誘導されがちです。「少数」の声を「代弁」できればと思います。これからますます社会において大切になる活動だと思っています。

片岡さんが大切にしている考えとしては、逆算して考えるということが挙げられるのでしょうか。

　売れないモノってありますよね。例えば視聴率が取れない番組。ラーメン屋が繁盛しないとか・・・。あれって何で起こるのかというと、そもそも「顧客の声」を汲み取れていないことが多いんです。最初から顧客が必要としているものを作れば、買う人にも感謝されて皆が幸せになるじゃないですか。一番良いのは、無理に売ろうとして、宣伝や広報をいっぱい行うことではなくて、最初からお客さんが欲しいと言っているものを、さりげなく、良い状態で提供できることですよね。

最初に報道のお仕事をされて、今は広報などのお仕事をされておりますが、 人に伝えるお仕事は片岡さんの「天職」なのでしょうか。

　中学、高校の時にブラスバンド部やっていたのですが、楽器の演奏自体にはあまり興味を持てませんでした。音楽会のステージや演出などの企画の方に興味がありました。裏方で全体のマネジメントをすることの方が楽しかったです。今もコンサート等に行くのですが、なるべくメジャーな作品を観に行きます。来たお客さんを一人でも多く喜んでもらおうという作り手の心意気が伝わる作品が好きです。

よく大衆性があると芸術性がないと言われますよね。わかりやすく言うとミーハーと呼ばれる人々。でも、僕は大衆性があり芸術性もあるものが好きなんです。ベートーベンの第九は大衆性も芸術性もありますよね。

片岡さんはマクドナルドでもお仕事されていましたよね。

　マクドナルドは、毎月1億人以上のお客さんが全国の店舗来るんです。そして、人間はすぐに飽きるのでどんどん新しいビジネス展開を行っています。でも私が入社した時には、すでに日本国内でのありとあらゆるマーケティング活動は既に行っていたんです。だから、顧客は何やっても驚かない。そうした前提に立って、限られた予算の中で、今までにマクドナルドがやっていないこと、話題になるような施策を生み出さなくてはいけませんでした。これは、かなりしんどかったです。新しく映画見るなり、本読むなり、常に自分自身にインプットをし続けていかないと、ついつい自分の過去の経験からばかりアイデアを引っぱりだそうとするんです。昔あれをやったから今回もこれをやろうとしてしまうと大抵失敗します。だから、どんなに忙しくても、新しいことをどんどん取り入れないといけません。好き嫌い関係なくとりあえず試してみて嫌ならやめればいいんですよ。

新しく試すのに抵抗はないのでしょうか。

　嫌なことは嫌だと思いつつ試してみます。お金がかかったり、時間を取られたりするなら諦めてもいいと思いますが、ほとんどのことは試すのにできない理由はないはずです。

今の学生は食わず嫌いでやらない人が多いように思いますが、 いかがでしょうか。

　僕にはやらない理由が分かりません。一回やってみても何も実害はありません。mixiにしてもLINEにしてもFacebookにしても周りがやり始めて流行ってきた後になってから始める人は多いですよね。周りの人がやってないからやらない人も多いはず。そこを、一歩先に試してみるかどうかが大きな違いなんです。それは積極性というよりも嗅覚だと思いますよ。通りがかりに何か面白そうな美術館を見つけて時間は余っているとします。入ってもたかだか600円くらいのお金しかかからない。ここで入ってみようと思える嗅覚を持っているかどうかだと思います。別に積極的かどうかではないんですよ。僕はよく一人旅に行けと学生の人などに言うんです。一人旅だと団体で行くのと違って計画立てなくていいじゃないですか。この前、ベルリン行ったらピカソの絵のポスターがが電柱に貼っていたんです。どこかでピカソ展やっているのかと思って、スマホで写真撮ってタクシーの運転手に写真を見せて連れていってもらいました。ドイツ語できないので。美術館に入ったら立派なピカソ展がやっていました。ところが、ピカソだけでなく常設展もあって、フェルメールのここでしか見られない絵に偶然に出会うという素敵な経験ができました。縁もゆかりもなかったベルリンに、しかもたった一泊しか滞在できませんでしたが、ベルリンでピカソを見に行ってみた偶然フェルメールにも会えた。 　何が言いたいかと言うと、「偶然」なんですよ。「偶然」を「察する」力を「偶察力」と言います。先にベルリン市内ツアーを計画してしまうとこれが出てこないんですよ。その結果、ベルリンにもう一泊することに予定を変更しました。一人旅だとそれができます。（笑）

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