人と同じことをするのではなく「マイノリティ戦略」で私は勝負する。
なでしこVoice代表・ABROADERS編集長 /濱田 真里
『なでしこVoice』代表。
1987年埼玉県出身。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。大学3年次に1年間休学をして世界の現状を見るために6カ国でボランティアをしながら世界22カ国をバックパッカーで旅する。その後の就職活動中に「海外の就職情報が欲しい」と思ったが、 欲しい情報が見つからなかったので、「自分で作ろう」と決意。 2011年に世界で働く日本人女性のインタビューサイト『なでしこVoice』を立ち上げる。 海外まで自分で足を運び、 女性に直接インタビューすることをモットーとし、現在までにインタビューした人数は300人、海外就職の相談にのった人数は1000人以上に及ぶ。「女性×海外就職」というキーワードでのサイトのGoogle検索率はトップ。大学卒業後は通信事業会社、編集事務所を経て、現在は『なでしこVoice』の運営や、海外就職をしたい人の応援サイト『ABROADERS』の編集長として活動中。
『なでしこVoice』http://www.nadeshiko-voice.com/
『ABROADERS』 http://www.abroaders.jp/
3つのWebサイトを運営しています。4年前に自分自身の活動として始めた『なでしこVoice』と、NPO法人ABROADERSのスタッフとして運営している『ABROADERS』と『週間アブローダーズ』です。『なでしこVoice』は海外で働く日本人女性のインタビューサイトで、『ABROADERS』はアジアで働く起業家や現地で働く日本人のインタビューサイト。『週間アブローダーズ』は現地情報をマンガや映像や面白い記事などで発信するサイトです。3ヶ月に1回のペースで海外取材に行って、現地情報を集めたりインタビューをしたりしています。
海外就職を考えていた時に、欲しかった情報が掲載されているWebサイトがなかったので、自分で作ろうと思ったのがきっかけです。海外で働く女性の情報が掲載されているWebサイトが2011年の時点は全くありませんでした。女性は結婚や出産をする場合、キャリアを柔軟に考えざるを得ません。そんな状況のなか、海外で働くという選択をした女性たちはどんな風にして仕事を見つけ、キャリアを築いているのだろう? と気になって、いても経ってもいられず現地に飛び込んで取材を始めました。『なでしこVoice』の一番のユーザーは、まさに私自身ですね。
アジア就職であれば、「どこかに飛び込んで0から1を作りたい」という人にはぴったりかもしれないです。海外で働かれている方は、「安定した場所でコツコツ仕事をしたい」というよりも、「まだ仕組みやルールが出来上がっていない場所で、自ら仕組みづくりをしていきたい」と考える人が多いですね。未開発の環境を、面白い、挑戦しがいがある! とポジティブに捉えられる人であれば、きっと大丈夫だと思います。 私は、人は環境によって行動や性格が変わると思っています。なりたい自分像に近づくために、周りにどんな人や環境、社会があるべきなのかを考えて、その場所に飛び込むのも面白いのではないでしょうか。
一浪をして大学に入り、まずは自分の好きなことを見つけようと色々挑戦しました。1年目は早稲田大学のことを知ろうと、文化祭運営スタッフやキャンパスツアーガイドなど、興味があるサークルに入って活動。そのなかでどんどん自分が好きなことが絞られていき、2年目は大学から地域に活動範囲を広げて、地域活性化をするサークルの副代表をしたり、地域の飲食店でアルバイトしたりしていました。2年間かけて、早稲田の中も外もひと通り自分が納得いくまで経験して、「次はもっと広い世界を見たい」と思い、休学をして世界一周をしました。
大学2年生の時に、自分のキャリアを世界も視野に入れて考えたいと思ったのですが、海外経験がほぼ0だったんですよね。自分が見ていない場所に本当に行きたいかなんてわからない。だから、いつか海外で働きたいのであれば、自分の目で見ようと思いました。友人には、「周りの人たちと卒業が1年遅れてしまうよ」「海外にひとりで行くなんて危ないよ」と言われたのですが、「時間がある大学生の時に海外に出ないと、今後の自分のキャリアを狭めてしまうかもしれない。今、海外に出ない方がリスクだ」と思って迷わず休学を決意。世界を視野に入れた働き方をしたいと思ったのが大学2年生の10月で、その翌年の1月には休学届けを出して世界一周をする準備をしていました。
私は、「これをしたい」と思ったら、そのゴールである場所にとりあえず飛び込むようにしています。今したいことは海外の大学院に行くことなので、今年の3月にアメリカに飛び込んでその大学院を見てきました。ゴールである場所を見たら、「どうしてもここに行きたい!」と思ってモチベーションが上がるのでオススメです。自分の目で見て納得した方が、のめり込み度合いがグッと高まるんです。机上の空論でやりたいと思うからやるのではなくて、現場に行って本当にやりたいかを感じて行動する人でありたい。世界一周をしたのも、今後のキャリアの軸を世界に置くために、まずは自分が舞台にする場所を見なければと思って現地に飛び込んだんです。