”シャカイモンダイ”の解決から民主主義のアップデートを目指す若き起業家にインタビュー!
一般社団法人リディラバ/代表 安部敏樹
今手を付けられていない社会問題の分野は、一見ビジネス性が低いような話ばかりで、より高い収益性を求めるとすればそうかもしれません。
でもそこはテクノロジーとかアイディアで変えられるものだと思っています。そもそもビジネスは工夫するものですし、リディラバを始めた当時は「社会問題の現場に行くことでお金になる」なんて誰も思っていませんでした。
それでも、何とかそういう風な「仕組み」にしていこうと僕らは取り組んできました。
もちろん、一人ひとりに求められることは多いわけですが、だからと言って伸びないとは思わないですね。起業家の仕事は、その難しさを色々なチカラで解決して、伸びるような仕組みを作っていくことだと思います。
スタディーツアーでいうと、企画・立案・決済、これをリディラバでやります。旅行業で資格も持っているので、集客もします。ただ、当日の社会問題を教えるという現場の話はNPOさんにお任せします。旅行業なのに、売り上げの7割は現場、つまりNPOさんに届きます。
社会問題について講演をしても誰も来てくれなかったりしますし、あとは寄付を募った際の名簿の管理なども難しいです。その点僕らはスタディーツアーの参加者の顧客リストをNPOに提出できますから、手間が省けるわけですね。
すなわち、NPO・一般社団法人などの組織に対するインフラ作りをするのが僕らの役目だと思っています。例えば、山奥の獣道の先にある集落に物資を届けなければいけない状態で、道路を整備していなければ届けるのは非常に難しい。まずは道路を整備することが必要です。それと同じで、社会問題にアクセスしやすく、関心が送られるようにするのがリディラバの役目ですね。
R-SICというのは、リディラバのソーシャルイシュー・カンファレンスのことです。社会的な起業家、事業家などの経営者のみを招待して、ある種のコミュニティ(業界)にしていきましょうという活動です。すごく頑張っている人たちを招待して、その人たちが交流を図れるようにしています。僕らはインフラを整備しているので、道路ができたときに、その先の問題を解決する人たちを応援しています。
これはなぜかと言うと、業界にならないものについてはリスクマネーが入ってこないからです。リスクマネーが入ってこないものに成長を見込むのは非常に難しい。成長要素がないですからね。例えばインターネット業界は、業界として伸びているからリスクマネーが入りやすいんです。
※リスクマネー・・・株式や企業買収など高いリスクを伴いながら、高い運用収益が求められる投資へ投入される資金のこと。