恩返ししたい
シンプルプランニング / 菊池 敦子
起業を意識したのは数年前、病気を患ったのがキッカケでした。
私はずっと独身で30年近くいろんな仕事をさせていただいてきましたが、「本当にこのまま死ぬまでずっと一人でいるのかな・・・?」と思い始めたころ、今の主人と知り合い、結婚!なので、その頃は結婚して専業主婦になるのが夢だったくらいでした(笑)。 ところが、幸せ専業主婦をしているある日、体調不良で病院に行くと、お医者さんに手術をしなければいけないと言われました。今までなんとなく他人事に思っていた事が、イザ自分の身に起こってみると、本当に青天の霹靂!一瞬周りの音が何も聞こえなくなる位ショックでしたね。
突然の事だったので、入院準備や手術中の家人とのやりとりなど、そりゃぁ大変な思いをしました。お陰様で病気に関しては、早い段階で見つけて頂いたので簡単な手術で普通の生活に戻れたのですが、日頃身の回りの整理をしておくことがいかに大切かという事を身にしみて感じ、最初は個人の家の片づけなどに興味を持ったんです。
退院してからは、改めて自分のこれからの人生の事を考えたりもして、「助けていただいた命、私もできる範囲で世の中に対し恩返しがしたい。」と思い始めました。でもその頃もまだ起業しようとなんて思ってはいませんでしたね。
販売時代にお店を維持していくことがどれだけ大変か、そのリスクも十分に知っていましたから。しかし、実際に再就職の活動を始めたものの、47歳位になっていましたのでなかなか再就職先が見つかりません。
お給料をものすごく落とすか、仕事のレベルを落とすかでしか就職することができないという現実を目の当たりにした時、凄く寂しくなりましたね。これをキッカケに自分探しのセミナーなどを片っ端から受講していくうち、自分のやりたいことは自分でやるしかないかな・・・?と、初めて起業を意識しました。
起業には様々なリスクがありますから、正直本気で起業をしようと決心するまでには、かなりの時間がかかりました。
本来の私の性格からすると、「石橋を叩いて、壊す!」というくらい、どちらかといえばかなりの慎重派。起業もリスクがあって不安、再就職もなかなか難しいという中で、かなり悩みました。
でも、病気をきっかけに「やってみたい事をやり残した後悔より、やってみてダメならあきらめもつく!」という思いになりました。それからは「では自分は何ができるのか?」と、自分探しも含めて色々なセミナーに通いました。
そして、あるセミナーに参加させて頂き、セミナー講師の方に自分のキャリアをお話ししたところ、「ファイリングの実務経験があるなら、書類の整理のお仕事なんかはどう?」と言われたんです。お話を聞けば、実はその方もご自身の仕事の書類整理で困っておられるとのこと。だったらそれが仕事として成り立つのかどうか、その方の事務所の整理を試しにやらせていただきたいとお願いしたのがキッカケです。
その方にはトライアルな形でお仕事をさせて頂きましたので、もちろんお金を頂戴するつもりは全くなかったのですが、何回か通わせていただくうちに、初めてのお客様として年間のコンサル契約を頂戴することができました。お客様の方から仕事としてご契約のお申し出をいただいたうえ、現在の起業に至っているわけですから本当に感謝しています。
私の場合、起業したのも去年の暮頃で、現在もまだ始めたばかりの状況に変わりはありせん。
それこそ最初のうちはHPも何もなくPRもしていませんでした。現在ではHPはありますが、実は今もそこからお仕事をたくさんいただいているわけではないんです。
対面し合った方、お客様から紹介して頂いた方など、人と人との繋がりからお仕事をいただけています。近年のインターネットビジネス流行りの傾向には反していると思いますが、HPやメルマガ、ツイッターなどのネットを活用した集客ではなく、昔からある口コミで広がっているのが現状です。
それから、これは私の仕事の特徴でもあるのですが、お客様のお部屋だったり、大切な書類だったり、普段は他人にあまり見せたくない状況、秘密情報などを見させて頂けなければできないお仕事です。また、最近のTVではよく、一時間番組でお部屋のbefore→afterなどの番組がありますが、実はあれは何時間も、下手をすると何日もかかってあの状態を作っています。
私の仕事も同じで、時間も必要なお仕事ですし、それだけの時間を密接に関わらせて頂くわけですから、信用以上に信頼して頂けるような自分作りを心掛けています。