挫折禁止
株式会社リバース・プロジェクト代表 / 伊勢谷友介
今回は俳優や監督業でもご活躍される伊勢谷友介氏にリバース・プロジェクト代表として、起業家として、お話を伺いました。
1976年生まれ。東京藝術大学美術学部修士課程修了。俳優としてだけではなく、監督業も行い、枠にとらわれずにアーティストとして様々な角度から作品を世に輩出する。2008年にリバース・プロジェクトの活動を開始する。「人類が地球に生き残るため」をコンセプトに、人々に新たな生き方を提案し続けている。
本インタビューはUstream配信を行ったため、質問コーナーが盛り込まれています。「人生を諦められない」と語る伊勢谷氏の口調からは、リバース・プロジェクトに懸ける熱い想いが伝わってきました。
僕の目的は「人類が地球に生き残ること」ひいては「未来の子孫に責任を持って、社会を引き渡すこと」です。その目的を達成するために、僕たちの職業があるわけです。そのような目的を持って、俳優も監督業もやっています。しかし、あくまで映画はフィクションです。つまり、テーマや訴えたいことに対して、映像作品として作ったものです。
作品に大きなパワーを感じながらも、ご覧になった人が一週間後にその映画が軸になって生きることは、まずないでしょう。おこがましいことを言うつもりはありませんが、しかしそこには虚像という事実が介在します。
だから、同じテーマでも現実的に本当に動く事で、より強いイメージ、パワーを伝えたかったのです。しかも、みなさんが関われるきっかけも作ることができる。
だから虚像と現実のどちらにも取り組んでいます。もちろん、取り上げるのは大事なテーマたちです。
今の地球の現状を知っていて動かないのは、僕は許せません。他人のことも自分のことも考えられる強さを持つことが、今後の社会では試されます。人がいることで、自分が生かされていることを知る。だからこそ、人に対する愛情を120%出すことができる。僕はそう思います。
地球に人類が生き残ることを必死に模索している途中です。それも、できるだけ多くの人が。自分はそのつもりで生きています。 自分の幸せについて、悩む方は非常に多いと思います。僕が非常に幸せなのは、散々自分のために生きてきたので、現時点で自分のために生きることは辛いことだと理解したことです。たとえどんなに才能があっても、社会とかかわらなかったら、その人に価値はありません。だからその人の中で、どういうファンクションを持って、自分自身のファンクションを考えることが大切です。
なんで、人って生きるんだろう?って考えませんでしたか?
みんな考えます。僕も考えた時期がありました。しかし、絶対答えでないでしょ?だって、あんまり意味ないんです。生物の中で生きていることに対して意味を考えるのは、人間だけです。我々も実際は考えなくてもいいんです。
しかし、意味があるとすれば、過去と未来をつなぐ現在を生きている人が、良い環境を残して生きる。そのことこそが、僕らがやらなくてはいけない作業であり、生きる意味だと思います。
つなぐ役割として、過去の人々、未来の人々を考えると、今活動する必要性に駆られます。もはや、それはぼくにとって義務です。そういう想いでやっています。
まず第一に、仕事という観点ではありません。今まで話した目的があって、株式会社は、その目的達成の手段のカタチでしかありません。人為的に継続性を持たせるためには、株式会社であることが必然でした。
プロジェクトを動かしていくにあたって、「衣食住」を考えました。人間が生きるために、この三点は欠かせないと感じたからです。それぞれで様々な活動をしています。
代表的なものを挙げていきます。
「衣」については、コットンに取り組んでいます。コットンは生産を安定させるために農薬を多量に使用しています。だからこそ、安いんですね。僕たちは、それを使っています。そこで我々は「オーガニックコットン」を提案しています。
また、デニムメーカーのLee JapanとREBIRTH PROJECTのコラボレーションラインとして誕生した「LeeBIRTH PROJECT(リーバース・プロジェクト)」もその「衣」のプロジェクトの一つです。捨ててしまうような商品に、デザインを入れることで、元々のプロパーをよりもにより価値を付け加えて、再び市場に生き返らせます。勇気を持って、コラボレーションしてくださったLee Japanさんには非常に感謝しています。
新しいものを使って安くするのは簡単です。しかし、僕たちはクリエイタ−を使うことで元々のものよりもさらに上のものを作っています。捨ててしまうようなものにクリエイターが関わることで、より価値のあるものとして社会に戻すことを可能にしています。資本主義の社会でも回ることになっていきます。