何をするか(WHAT)より、どう生きるか(HOW)から決めていけばいい
フリーランス / 安藤美冬
本当に日々、感じますね。私は独立してから1年程。1年ちょっとでメディア上で注目されているということに対してのストレスはもの凄くあります。いつも人に見られているといったメンタル的な負荷がかかりますし、一挙手一投足に対して重い責任がのしかかっているので、ある意味で自由とも捉えられますし、不自由とも言えますね。その不自由さは責任が会社員時代の頃よりも100倍くらい増えたという感覚はありますが、自分で決めたことだから引き受けられるんですよ。もし、これが誰かから強制されて今の状況があったとしたら、耐えられないと思います。辛いこともあるけど、楽しいこともたくさんあります。
学生の皆さんも就職活動や起業といったことを考えられている方が多いと思いますが、単なる見栄だったり、親の意向を反映して決めた会社だったら絶対に辛いと思いますよ。だけど、仮に大企業でなくても自分が惚れ込んだ会社に就職したり、そこでの待遇や仕事の内容は、納得できると思うんですよ。
私自身も就職活動中は大企業ばっかり受けていたんです。ただ、そのブランド志向も持ち合わせていた反面、冒険的な思考というのもあったのは事実です。16歳の時から海外に行っていましたし、高校入学時には、自分が社会に出たとき、自分らしく好きなように生きていくために、絶対に有名大学と良い企業に入ろうと決めていました。そのために約1年半全く遊ばずに猛勉強していましたし、目標達成のためには血のにじむような努力ができました。それもなりたい自分になるために、徹底的にやるということですね。
うーん、どうなんだろう。自分で決めたんだったら「絶対やる」。その代わりに自分が気の乗らないことは絶対にやらないんです。そこのメリハリが異常に強いんだと思います。
独立する時は「スーツを着ない」、「営業はしない」、「ルーティンワークはやらない」というHOWの部分は決まっていたんですが、WHAT(何をするか)の部分が決まっていませんでしたね。ただ、どちらかというと会社員として働いていた時はWHAT型で1週間、3ヶ月、半年、1年間の行動計画を持っていました。
例えばtwitterもフォロワーさんを月に200人増やすという目標を立てるとする。そうしたら、一日10回から20回はつぶやいたり、何のつぶやきが何回リツイートされたかというのを調べ上げ、フォロワーさんをドンドン増やしている人を徹底的に研究していました。実際に8ヶ月で1600人までフォロワーを増やして退社したんです。
話は前後してしまいますが、そうはいっても、もし退社をする際にWHATが決まっていたら、今の私の働き方って生まれてこなかったと思うんですよね。 直感的なことなのですが、これからは「WHAT(何をするか)ではなく、HOW(どう生きるか)の時代ではないか」と思ったんです。
例えば就職活動をされている学生さんの例で言えば、
テレビ局に行きたいとか、住宅メーカーに行きたい(WHAT)あると思うのですが、実際にやってみないとどんな仕事か分からないし、どんな上司がいて、どんな同僚がいて、どの部署に配属されるかによっても、入社した後の会社での体験は様々です。
幼少期からギターをかき鳴らして、「絶対、音楽業界に入る!」といった方なら幸せに進路を選ぶことが出来るかもしれませんが、少なくとも私はそこまで強烈なものがなかったし、あんまり業種って関係ないなって思ったんですよ。
「何の仕事をするか」よりも、本当に追求したいのは「安藤美冬としてどう生きるか」ということ。「どんな風に人から評価されたいのか」、「どこに住みたいのか」、「どんな人生を生きたいのか」といったライフスタイルを考えたのです。
多くの人は、「どう生きるか」という実現したいライフスタイルが決まっていないから、仕事をしながら迷うんですよ。「どう生きたいか」というところに軸をあわせられれば、あとはそこに仕事を当てはめていくだけです。