グローバルを目指す行動力と発想力
アキュセラ・インク 会長・社長兼CEO 医師、医学博士 / 窪田良
最も大切なことは、絶対にこの人は最後まで責任を持ってやり通すだろうと誰からも強く信じてもらえることだと思います。途中で諦めそうな人には誰もついて行きませんからね。そして、この資質を有するには大きく分けて3つ要素が必要であると思います。
1.優れたコミュニケーション力や発信力。なぜならチーム戦でこそ物事の達成を可能にするわけですが、コミュニケーションの仕方一つでそのメンバーのやる気を引き出すことにも削ぐことにもなり得るからです。
2.適応能力。外部環境や競争相手がどんどん変化する中で、ビジネスを成功させるのがベンチャー企業なので、その時々に応じて柔軟に方向転換する適応力も重要です。
3.リーダーとして学び続ける姿勢。リーダーは、人一倍速いスピードで成長し続けることで常について行く価値があると思ってもらえる存在であり続ける必要があります。
今の臨床開発段階の化合物を世に送り出し、第二、第三の治療薬を開発していくことです。また、薬の開発、販売だけではなく、診断や医療器械の開発など目のトータルケアができるような会社に発展させていければと考えています。最終的な夢は失明を世界からなくす、あるいはそれが無理でも少しでも減らすことです。
イノベーションは、 解決方法がない問題に直面した時に、既成概念を破りソリューションを生み出すときに生まれます。そこでチームが重要になってくるわけですが、そのためには色々な知識や多様なバックグラウンドを持つ人たちが問題の解決に取り組む環境は非常に大切です。多様性がなければ当たり前のソリューション以上のものは出てきにくくなります。奇抜な意見でも受け入れられる環境をリーダーは作らねばなりません。どう思われるだろう?あるいは突拍子もないような意見ほど、イノベーションを生み出す可能性があるのです。それを引き出すためには、チームの誰もが、あらゆる意見に辛抱強く耳を傾ける環境が大切になります。どんなアイディアでも発信・共有することで、ある瞬間にふと新しいイノベーションが起こることを待つということですね。またイノベーションに至るまでには数多くの失敗がつきものですので、失敗を許し、あるいはむしろ失敗を推奨して、再チャレンジが可能な環境を提供することも大切です。
基本的に年齢、性別、出身国など多様なバックグラウンドを持った人を採用するようにしています。また、我々と価値観が合うかを見ます。面接では、本当に世の中の人々への貢献を最優先する考え方をしているかを問います。仮に、財務責任者候補が面接で「私はいかにお金を設けさせるかということを頑張りたい。」と言ったとしましょう。それはある意味正しい回答なのですが、我々の会社には向きません。我々はお金を儲けるということよりも、世界を変えることに重きを置いている人が僕らの会社のカルチャーにマッチしているからです。世界を変えることができた結果として儲けを頂くという感覚です。また我々の会社は特に日本やアメリカをはじめとした様々なカルチャーに影響を受けているので、文化の違いなどを、違和感ではなく、それを面白いと受け入れられる適応力や認容性を持っていることが重要です。
そうですね。私は「人間としての価値を認められるということ」が「お金で買うことのできない価値」だと思っています。そこで「世界を変えた」という事実は、お金で買うことができないプライスレスな価値だと考えており、本当に世界を変えることができたなら、何にも増して心から幸せだと感じるでしょう。面白いことをして世界をあっと驚かせてみたい!という思いがドライブになっているのです。
将来の可能性が無限大の学生の皆様だからこそ、自分の力を100%以上に発揮して、精一杯いろんなことにチャレンジしてください。スポーツ、音楽、勉強、仕事、多くの友人をつくること、なんでも構いません。やり切ったという事実は、どのような分野でも自分の自信に繋がるはずです。考えることも大切ですが、行動に勝るものはありません、若い間にどんどんいろいろな経験を積んで下さい!