日本人は不定形生物アメーバだった??
エンジェル事業家 / 加藤順彦
それまでも、何度も西海岸やNYのネットメディアやサービスの企業にはご訪問していたのですが、さすがに全世界から同時に同じ場所に300人もの同業者やメディアパートナーが集まるという機会は、その時が初めてでした。日中は2日間に渡り、講演やパネルディスカッションがあるのですが、それらの同時通訳をヘッドフォンで聴いているのが日本から来ている15人のうち10人強だけだったことに驚愕しました。いや、よくみると主催者が同時通訳者を用意しているのは英語→日本語だけでした。 英語しか話さないアメリカンが同時通訳を必要としないのは分かります。ですが、その場には20カ国超の国々からの招待者がいました。ヨーロッパや南米、もちろんアジアからも中国、台湾、韓国、香港、インド、シンガポール、インドネシア、タイと幅広く招待されていました。その全員がネイティブの英語が聞き取れているのです。
更にショックだったのは2日間に渡って開催された夜のパーティです。出席者はみな国境や商圏を越え闊達なディスカッションとなっています。きっと商談や提携のネタ繰りで盛り上がっているのでしょう。一方、日本人は不定形生物アメーバのように会場の端の方をうようよしていたのですね。名刺交換を依頼されても、渡したらダッシュで逃げろみたいな感じでした。外人とコミュニケーションを取るのが怖かったのです。猛烈な疎外感を感じとっととパーティ会場を後にしました。
この経験は私にとって極めて大きな気づきとなりました。今、世界はどんどん小さくなっていてインターネットのおかげで発展しているのだなと実感した一方で、日本はその発展に本当に参加していないんだと実感しました。
世界で活躍出来る日本人起業家を一生かけて育てるというより、一緒になって経営して行くことをしたいんです。現時点ではまだ10%も進んでいないと感じています。今支援している会社も非常に手応えを感じている会社が多く、今この活動を初めて2年半なのですが、まだまだこれからです。