日本人は不定形生物アメーバだった??
エンジェル事業家 / 加藤順彦
「大学生の4年間はモラトリアム。人生で唯一、何もしていなくても、何をしていても、いい期間なんや」 僕はこのコトバを、入学直後の大学のサークル新歓説明会場で、そのへんの先輩から聞かされ、ハンマーで殴られたような衝撃をうけました。そのサークルにはなんの興味もありませんでしたが「モラトリアム」というコトバに無性に惹かれ、そのまま立ち止まって、他の学生に熱心に説明するその先輩の同じ話を繰り返し、立ち聞きしていました。
社会に出たら社会人としての生産性を死ぬまで求められる。大学生というのは人生最後のチャンスであることに気づけたのです。人生のなかで何者でもない時代というのは大学の4年間しかないんですね。この4年間は、何をしていても誰からも何も言われないんです。もしそのことに気づけていなかったら、今の自分は当然存在しないと思います。もちろん自分だけでなく、周りの友達にも出会えなかったと思います。
起業するのは社会人になってから、色々学んでその次のステップで、とおっしゃる人もいます。否定するわけではないですが、そうとも限らないこともあります。どんなことに挑んでも構わない大学生の間のモラトリアムを巧く活かして、どんどん様々なこと挑戦してほしいです。そして社会経験の有無に関わらず、自分できめたその瞬間から社会人になれば良いと思います。
とにかく気づいたことを実践している人に飛び込んで、何も言わずに行動を共にするということです。そうすれば、自分が変わって行くことが、毎日、実感出来ると思います。自分をそのような環境に置けば、朝から寝るまでの間に自分が成長出来たことを実感出来ます。
内的なものでなくて、すべては環境が変えるのです。その環境は、人が与えてくれるものではありません、自分から飛び込んで行くしかないんです。人とは違う生き方して、あえて自分に刺激を与えてくれる人に会えるポジションに自分を置くことが一番大切です。自分が何か大きなパッションを感じたら、自分から積極的にそっちに巻き込まれていくべきです。自分を正しく持つことが大切なのではありません。面白いと思うことにどんどん巻き込まれて行ける自分のスパイラルが大切です。
自分が生きていくことと、自分のやりたいビジョンが社会にどう影響するのかということを考えている人が結果として僕が一番投資したい思う人です。つまり今回企画している事業が、実行することによって社会にどう還元できるのか、そしてその人自身がいかに熱いパッションを持っているのかということだと思います。
その事業を通して何がしたいか、誰に喜んでもらいたいか、どんな世の中を作りたいか、社会の発展して行く道筋の中に、その活動がしっかり織り込まれているかどうかが大切なのです。そのような考えを持っている人こそが、起業家だと思います。