本気で起業をした人は、不幸にならない
3人の株式会社 代表取締役 / 濱中拓郎
そこで働いている「人」に魅力を感じたんです。皆20代半ばという年齢だったのですが、尖っていて、めちゃめちゃ頭が切れる人ばかりだったので魅力的を感じました。それから、web系の会社に興味があったから、というのもあります。
僕はプログラミングもweb制作もできなかったので、「とにかく入らせてください!」という熱意で入れてもらい、営業の仕事をやりました。営業は、「ノリと根性があれば上手くいく」というイメージがあったので、楽しそうだと感じたんです。でも、実際は全然うまくいかなくて、上司に怒られてばかりいましたね。「史上最悪の社員」と言われるくらいダメでした(笑)
そうなんです。だからそれを克服するために、仕事と掛け持ちで4ヶ月ほど夜にキャバクラでボーイの仕事をして、営業の勉強をしました。このバイトのおかげで、「気配り」を身に付けることができました。夜の世界は、体育会系の上下関係よりも厳しい世界だと感じました。でも、厳しいからこそ、営業力もしっかりと身につけられたと感じています。
あの時は、本当に茫然としましたね。ある日、代々木公園に社員全員が集められ、突然副社長に「倒産しました。解散します!」と言われたんです。その時はもう、シュールすぎて笑ってしまうくらいでした。 倒産直後は、何も考えてませんでした。いきなりニートになってしまって、「暇だな」という感じでした。ほぼ毎日午後に起きて、家の近くを散歩したり、遊んだり、モノマネを極めたり…(笑)
簡単に言えば、暇すぎたから、「サービスを作ろう」と思ったんです(笑)実は、「0からサービスを作る」というのは僕の昔からの目標で、大学時代に友人とWEBサービスを作ったこともありました。だけど会社員になってから時間が無くなってしまい、「忙しい」ということを言いわけに何もせずにいました。でも、仕事を失ってしまったら、そんな言い訳はできないじゃないですか。それだったら、「何かのサービスを作ってみよう」と考え、実行に移したんです。
学生時代に読んだ、クリス・アンダーソンの『MAKERS』という本を読んだことがきっかけです。「3Dプリンターが普及すれば、”個人”がメーカーになる日が来る」というようなことが書かれたのが面白くて、興味を持つようになりました。
サービスを作る時には他にも色々な事業モデルを考えていたのですが、一番「続けられそう」「面白そうだな」と感じたのが3Dプリンターでした。