経営者はよそ見をせず、経営に身をささげるべき
カレーハウスCoCo壱番屋 / 宗次徳二
勿論、より成長させていきたいという強い思いはありましたが、大きなことを最初から考えずにとりあえず売上を日商6万円にしようと考えました。当初は2万 円程度でとてもやっていけない状態でしたが、幸い喫茶店が2件とも軌道にのり繁盛していたので、その利益をつぎ込むことで持ち堪えていました。当初から日 商6万円になったら2号店を出そうと夫婦で話していて、約10カ月経った頃に、日商6万円に手が届くまでになっていたので2号店を出しました。その年に4 号店まで出すことができ、喫茶店は2件とも処分してカレー屋一本に絞りました。愛知県の郊外に店舗付き住宅を建てて、その時の目標は10店舗として、実現 に向けカレー屋に専念することにしました。
目標を決めた時は、ずっと自転車操業でした。4号店オープンの時は70万円ないと年を越せないという状況で喫茶店も処分していたので、10店舗出すという事は他人には言えないような大きな目標でした。
そうですね、翌々年には目標を達成していました。日銭商売という事もありましたが振り返ってみると、ずっと後先考えないで夢中で行動していました。心を込めれば必ず売上は少しずつでも伸びるものと確信を持っていました。
なだらかな右肩上がりをするようにとは考えていました。結果から言うと、イメージ的には1.5倍ずつ伸びていったと思います。10の次は30、次は50店舗という具合でしたね。約11年半かけて100店舗を達成しました。
1番といえば1号店である西枇杷島店です。あとは今の社長が店長だった岐阜の店舗、15号店ぐらいだったと思いますが、初めて50席ぐらいある大きいタイプの店舗で最初から勢いが凄かった。それが成長の一つの節目になりました。
実はないんですよ。目標を決めてしまうとそれに無理に合わせないといけないので、むしろお客様が求める規模に合わせたいと思っています。お客様が私たちに 求めるサービスを提供するために規模が大きい必要があればそれを目指しますが、規模の拡大を前提にお客様にサービスを提供するのは本末転倒ですね。
私は最初からこの気持ちは持っていました。連帯保証人になって頂いた方や、家族など期待してくれている周囲の人たちの為にも命がけで一所懸命やるべきだと 思っていたのです。命がけで一所懸命やっていけば、灯りに火がともり、そしてその火は炎となり、だんだん明るくなっていきます。そこの段階でホッとしてし まうのではなく、そこから更に経営に身をささげて、また目標を設定し追っていき、達成したらまた目標を設定する・・・これを続けていけば自然と会社は発展 していきます。
数字でいうと、やはり増収増益の決算。そのことによって社員や取引先の期待に応えることにもなります。日常的にはお客様や社員と一緒に店、工場で仕事を やっていく中での反応です。一緒にやっていかないとわからない部分が多いので、現場主義を徹底させることが大切だと思います。