「仕事は好きになれないならやめた方がいい」リノべる山下社長が若者に伝えたい仕事観
株式会社リノべる 代表取締役 山下智弘
ズバリ、仕事に人の要素を持ち込まないようにするためなんです。
僕もいつも思うことがあるんですけど、会社の企画で100個新しいことをやっても99個はうまくいかないんです。いやもっとかもしれないです。とりあえずほとんどうまくいかないんです。こんなことやってみよう、面白そうと思ってやってみても。それでもたまたま1個か2個はうまくいって大きく伸びたりするんです。そのうまくいったときはいいんです。「よっしゃうまくいったぞ」ってなるので。
それはそれでいいんですけど、じゃあうまくいかなかったときどうするか。
振り返りをしてなんでうまくいかなかったか、どこがダメだったのかというのを見ていく時に、人の要素が入ると途端にめちゃくちゃややこしくなるんです。あいつがやったからうまくいかんやったんや、ここでこいつがこういう風に舵をとったからダメになってしまったんじゃないかって思ってしまうんです。これを考えだすと、本当にいろんなことが止まってしまうんです。
だから「嫌な奴とは仕事しない」それの完成形が私たちの「明るいバカ」なんです。
こいつとやって失敗したらもうしょうがない、他いこ、次に切り替えようって思える、働いている人がそう思えるような人を採用するようにしています。これは新卒もそうですし、中途も、経営陣もみんなそうやって採用しています。
新卒は全員面接するようにしています。中途の方は各担当の役員がいるのでその人に任せるようにしていますが、中途ランチ会というのを行なっています。ランチ会は、ただランチをするだけでなく、質問カードを準備して、そのお題を互いに話したり、積極的にコミュニケーションをとる工夫をしています。最近は毎月何人か入ってくるので、頻度も増えましたね。
そうやって仕事とはどういうものなのかって向き合うことはとても大事だと思います。
これは僕個人の考え方ですけど、仕事は好きになれないものならやめた方がいいと思っています。
でも、若い人にとっては、今好きかどうかはあんまり重要じゃないとも思っています。なぜかと、若い時の自分がその時の視野で見えているものなんてほんの一部だからです。実際その仕事の本当の面白さは、本気でやってみないとわからないと思います。 例えば新卒で自分が就職する会社がどんな会社でどんな仕事をするのかなんて、本当のところはわからないじゃないですか。それでもこれ絶対に自分には向いてない、合わないって思うんだったらその時間は無駄なのでやめた方がいいと思います。
好き嫌いは、なんでも一緒だと思いますが、人それぞれあるじゃないですか。それと一緒で仕事にも合う、合わないはあると思っています。これ、自分に合いそうだな、合わなそうだな、という感覚は大事にしていて、無理はしない、嫌なことはしないということを決めています。すなわち好きになれそうなものを続けていくってことですね。でもさっき話したように今楽しいとか好きかは重要じゃなくて、100%の力で取り組めるかということが大事だと思います。目の前の仕事に100%で取り組むことが、仕事を好きになる一番の近道であり、成功への近道だと思います。
僕はそれに関しては常にそのことについて考えられるかというところがその仕事が好きか嫌いかの一つの判断軸になると思っています。僕なんて常に移動中でも、仕事のこととかラグビーのことについて調べたり、動画見たりしているので、やっぱりそういうことが好きなんだと思います。ただそこは比較的わかりやすくて、自分の子供ができたら子供の写真を見るのが好きになるのと一緒で、自然と自分の行動が寄っていくと思うので、そうした気持ちに逆らわずに、とことん突き詰めて行くことがいいと思います。
これも難しい話にはなるんですけど、100%でやり続けることだと思います。そして目の前のことを思いっきりやる環境を自分で作ることも同時に大事だと思います。思いっきりやるのって意外と難しくて、例えばこういうようなインタビューとかも何回も受けていくと、だんだん慣れていくんです。あまり何も考えずに答えて終わることもあったりするんです。でも汗かくくらい一生懸命話せば、同じことを話す時でも自分を見つめ直すことができるし、新たな気づきがあると思えるのでそういう風に思えるかが大事になってくるのかなと思っています。だから振り返りが大事になってくると思います。これって今100%でできてるかなとか、これ今70%くらいでしかできてないよねとか、そういう風に振り返ることが大事です。毎日のスケジュールをそのような意識で見ているとわかるようします。
これについては、私たちのミッションが全てを示していると思っています。ミッションに関してはわかりやすさにこだわって設定しているので、あとは組織としてどう向かうかだと思っています。
だから現在、組織診断とかのツールを使ったり、制度や研修、組織づくり、採用などを通して、体制を整えています。そこでの調査結果として、会社の掲げるミッションとか理念に対してはほぼ全員が共感していることがわかりました。もう一つ「人」というところで、「明るいバカ」というところからきているものにもほぼ全員が共感してくれていて、働いて嫌な奴がいないって言いうコメントが多かったんです。この2つは我ながらよくできていると思っています。でもうちに今足りてないのは人と人を繋ぐ組織の力です。ここがまだ足りてないと思っています。どんな組織やチームになりたいとかはこれまであんまり深く考えてなかったことなので、ここを今考えています。組織って、会社の規模やフェーズによっても変わっていくじゃないですか、50人の壁、100人の壁という風に。うちは今また新しい壁にぶつかっている状況ですね。ここを改善していくために、「人・ミッション・組織」の三角形を成立させたいと考えていて、リノベるなりのキャリアビジョンを定めていく必要があるなって思っています。これもどこかから持ってくればいいのではなくて、自分たちなりのものを定めていく必要があると思っているのでそこを決めていく段階にあると思います。
「myクレド」という本を読んで自分自身のクレドも作りました。これはずっと財布に入れています。
クレドを11個あげているんですけど、そこに書いてあることに嘘をついていないということを見せ続けたいなって思っています。内容としては人の悪口を言わないとか、思い立ったら72時間以内に行動するとか、そういうものです。それを社員の前で言っているので、それを守るようにしています。
よく聞くことかもしれませんが、「目の前のことを一生懸命やりなよ」って伝えたいです。
それが成功するか、出来るかはわからないし、これって自分の人生のなんの役に立つの?と思うこともあると思うんですけど、今は、どれだけ考えてもわからないと思うんです。だからまずは「目の前のことを一生懸命やる」ことが大事だと思うんです。最近強く実感しているのは、「点」と「点」を結んだら、大きな絵を描くことができるということ。ここでいう、「点」が、目の前のことに当たります。「点」をできるだけ力強く、大きくした方が、結びやすい。だから、目の前のこと=「点」を思いっきり大きくしてやろうと思っています。学生の時はわからないことも多く、「点」が薄くなりがちになると思うんです。社会人になればなるで、また違った意味で薄くなってしまうことがあると思います。時間もないし、上司がいて色々できないってなりがちです。
そんな時は、今、自分は、将来何かと結ぶことで大きな絵を描くための「点」を打っているんだって思ってください。きっと、考える角度が違ってくると思います。
ぜひ頑張って欲しいと思います。
本日はありがとうございました!!
本記事の作成者:那須 昇太