植物由来食品で日本市場のリーダーへ
株式会社TWO / 代表取締役CEO 東義和
自ら創業した企業ブランディングを行うPR会社を経て、2015年にウェルビーイングな事業を展開する株式会社TWOを設立。現在では、都内にて2店舗を構え、植物由来食品のブランド「2foods(トゥーフーズ)」を展開している。
学生時代から起業への思いがあり、20歳で企業のブランディングを行うPR会社を立ち上げました。業界として「PR」を選んだ理由は大きく2つあります。
そもそも当時はまだVC(ベンチャーキャピタル)が少なく、外部からの資金調達があまり一般的ではなかったこともあり、自分の資本で事業を展開するしかありませんでした。そのため、大きな初期投資が必要なく、自分のアイディアや発想力、行動によって、事業をどんどん拡大させていくことができるPRの仕事が様々な面からみても良いと感じました。また、PRは非常に汎用性が高く、幅広い事業の知見も得られるのと、PRの考え方はどのような事業にも活用してくことができるというのも魅力の一つでした。
しかし、PR会社で多くの企業PRやブランディングに携わる中、コンサルティングや受託で請け負うマーケティングだけではなく、自社でゼロから商品やサービスを生み出し、それを世の中に広める、事業そのものを立ち上げる事に興味を持ちました。そして、『TWO』を立ち上げました。
私のような起業家の場合、仕事がライフスタイルそのものになることが多いので、その仕事が自分の人生で本当にやりたいことなのかどうかがとても重要でした。また、近年は気候変動といった環境問題も非常に深刻であることから、自分自身もやりがいを感じながら、社会や環境に対して貢献できる分野で取り組んでいく必要があると感じていました。そのようなことから、“食”の分野で人々や地球の健康とも密接な「植物由来食品」のカテゴリを選択しました。
経営者は、業績を上げる以外にも様々な視点を持つことが必要ですが、その考えに至った経験として、「組織の縦割り」があります。
当時の組織ではチームの個の意識が強く、チーム同士の連携ができていない状況がありました。マーケティングチームで打ち出した戦略が、営業チームにしっかり伝わっておらず、営業の際に商品のポテンシャルを伝えきれない、ということが幾度と起こりました。この経験からも全チームが共通して情報を周知できるような意識を持った組織作りに注力するようになりました。
例えば、商品開発チームはマーケティングを専門としているチームではないため、マーケティングを主導することは難しいですが、だからといって商品開発だけを行えばいいわけではありません。その企画が消費者に求められているのかを常に問いかけ続け、チーム内でもそれを意識してもらうような環境を作っていきました。そうすることで彼らの頭の中に常に”消費者”がいる状態になっていきます。その際、チーム内の考えで完結せず、インサイトデータをしっかり分析しながら企画を考えることが、より市場に求められる商品を作るためには必要です。
そのような消費者を常に意識するマインドの徹底を、各組織ごと巻き込む形で行い、現在ではチームを問わず全社員がマーケティングの視点を持った会話をするようになりました。