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起業家を支援する会社スタッフの起業コラム

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KJ法

大きな方向性を決めなければ!

新商品のコンセプト、経営戦略、
起業・経営の現場では「複数人」で「大きな方針」を
決定する場面に多く出会います。

複数の意見を統合し、ひとつの結論を導くのはとても難しい作業。
そんなときに効果的なのが「KJ法」という思考法です。

この方法を使うことで、情報を整理・統合して
問題解決をはかることができます。

起業家必見!鉄板アイデア創出法


この連載では全5回に渡り、鉄板アイデア創出法をお届けしています。
全5回のラインナップはこちらです。

  • 1.ブレインストーミング
  •   意外と知らない”正しいルール”を守るだけで、
  •   効果がぐんと高まります
  • 2.シックスハット法
  •   ”平行思考”を取り入れることで「混乱」「対立」を回避する
  • 3.オズボーンのチェックリスト
  •   「思考の方向」を強制的に決めることで、
  •    新しい視点からアイデアが出てくる
  • 4.KJ法
  •   「分類」と「整理」、そして「カード」の力を実感できる。
  •    コンセプトワークにおすすめの方法。
  • 5.マンダラート法
  •   「発想する数」を決めることでアイデアを強制的に引き出す。
  •    発想を広げる際におすすめ。


今回はこの中から「KJ法」をご紹介します。

KJ法とは?

ブレインストーミングなどによって得られた発想を整理し、
問題解決に結びつけていくための技法のこと。

コンセプトづくりや、全体の方針の決定など、
「複数人」で「大きな方向性」を決めるときに相性の良い方法です。

カード(ポストイットがおすすめ)を活用するところに大きな特徴があり、
内容や質がまちまちな情報をまとめ、全体を把握するのに有効となります。

考案したのは日本の文化人類学者・川喜田二郎氏(元東京工業大学教授)。
その氏名の頭文字をとって“KJ法”と名付けられています。

KJ法の手順


 [ステップ1] 『キーワード収集』


アイデアを構築するための「素材」を集める段階です。
ブレインストーミングや事前調査を通じて集めていきます。

集めるアイデアは2種類あります。

1.外部情報
   目的に応じた「情報」や「事実」を「調査」によって収集します

2.内部情報
   関係者の頭の中にある「知識」や「経験」を
   ブレインストーミングなどを通して吐き出します。

※ ブレインストーミングについてはこちらの記事をご覧ください。


収集された情報は
「ポストイット(正方形のものがおすすめ)」に書き込んでいきます。

必ず「1枚のカードに1つの情報」を記録するようにしましょう。

このとき「議論にあんまり関係ないかな?」と思った情報でも
全てを書き留めるようにしてください。

あとあと、そのような情報がキーになることがあります。


書き込んだポストイットはペタペタと貼り付けていきましょう。
大きめの机や壁など、広いところでやるのがおすすめです。

この段階では「ポストイットの数をどれだけ増やせるか」を意識して、
どんどん書いて、どんどん貼っていきましょう。


 [ステップ2] 『グルーピング』


ポストイットのグループを編成していく段階です。
次のような順序でグループをつくっていきましょう。


A. ポストイットを集める

 ポストイットに書かれた情報をひとつひとつ丁寧に読み取っていきます。
 そして、内容の近いものどうしを集めていきましょう。

 1つのグループは2、3枚のポストイットが集まっていれば十分です。

 1つのグループにあまりに多くのポストイットが集まる場合は
 グループを「抽象化」し過ぎている可能性があります。


 また「どのグループにも属さないポストイット」が必ず生まれます。

 このポストイットは無理にどこかへ入れようとせず、そのまま残しておきましょう。


 この作業には時間がかかります。
 慌てず、気長に、ゆっくりと時間をとって行いましょう。



B. グループに名前をつける

 A. の作業でつくったそれぞれのグループに「名前」をつけます。
 「集まっている情報をひとことで言うと、これ!」という名前をつけましょう。

 あいまいな表現は避け、明確な表現を心がけましょう。


 「小さなグループ」ができたらA. B. の作業を繰り返し、
 「中くらいのグループ」をつくります。

 場合に応じて、この作業を何回かくり返し、
 まとまったグループをつくっていきましょう。


 [ステップ3] 『空間配置』


[ステップ2]で作ったグループ(クリップや輪ゴムで束ねられたカードの束)を
模造紙などの上で空間的に配置していきます。

内容の似ているグループを近くに、
違っているグループを遠くに配置しましょう。

「目的と手段」、「原因」と結果などの
”ストーリー”を意識して配置を進めます。





配置ができたらグループ同士の間隔を広げ、
それぞれ一段階、グループを分解します。

(大グループ→中グループ。中グループ→小グループ)


先程の配置を意識しながら、分解したグループを
再び配置していきましょう。





配置したグループ間の関係を記入していきます。


 [ステップ4] 『関係性の記入』


[ステップ3]で配置をしたそれぞれのグループに「枠」や「線」などを描き入れ、
グループ同士の関係を明確にしましょう。





※ −:関係あり →:原因・結果  ↔:関係があり >-<:反対

 [ステップ5] 『結論を導く(ストーリーを描く)』


[ステップ4]で作成した図をもとに、
全体を通してどんな結論が導けるかを考えましょう。

情報を図解したことで、自分たちの考えていることの
全体像を把握することができるはずです。

細部に囚われず、全体を俯瞰して結論を出しましょう。



[ステップ3]からの作業には、定石があまりありません。
場数と経験がものを言います。何度もこの方法を試し、精度を磨いていきましょう。

また、この方法は「コンセプトづくり」との相性がとても良いとされています。

KJ法全体の流れや、コンセプトづくりに活用するケーススタディーは
『コンセプトのつくりかた』という本によくまとまっているので、
興味がある方はぜひ一度お手にとってみてください。

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黄塚 森(Shin Kozuka)について
阪東浩二「起業の学校」アントレプレナーアカデミー全体統括。社内外を問わずwebを中心としたマーケティングに携わる。読者1万5,000人のメルマガを執筆する他、記事作成などコンテンツ製作を得意とする。経営者向けセミナーの企画・運営も行っている。

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