正しい価値観を持っているから、成功する
株式会社 小宮コンサルタンツ / 小宮 一慶
今回インタビューをさせて頂いたのは経営コンサルタント、小宮一慶氏。
95年に会社を設立して以来、数多くの起業家・経営者に経営指導を施し、
日本でも有数の経営コンサルタントとして知られています。
テレビ朝日の「やじうまテレビ」で出演されているのをご覧になっている方も多いはず。
今回の取材は小宮様に、「経営者の資質とは何か?」取材をしてきました!
京都大学法学部を卒業後は東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行しました。東京銀行は国内よりも海外に支店が多いので、海外で働くチャンスがあると思ったんです。名古屋支店に配属され預金業務や外国為替業務を行いながら2年が過ぎた頃に留学生の試験を受け、アメリカのダートマス大学という大学に合格しました。そこのビジネススクールで2年間勉強してMBAを取得し日本に帰ってきました。帰国後は銀行の経営管理のコンピュータシステムに4年間携わり、その後はM&Aを担当する部署に2年間在籍しましたね。そして2社転職をして1996年に小宮コンサルタンツを設立しました。最初は3人で始めたんですが現在は大阪の事務所も含めて10人で運営しています。
単純に自分で会社を運営したかったからですね。アメリカ留学時にわかったんですが、ビジネススクールで優秀な人って将来必ずと言って良いほど自分の名前を付けた会社を設立するんですよ。それに自分も憧れて将来は独立したいと考えるようになりました。それに東京銀行は優秀な人が沢山いるので、自分がいなくても上手く回るから大丈夫だろうという気持ちもありましたね。
ものごとを考えるのが好きな上にお金がかからないからですね。強みを活かすことは大原則ですからこの業界なら自分の今までの経験や経歴、勉強好きな性格を活かせると思ったんです。特に人に経営を教える仕事なので勉強嫌いな人には向かない仕事だと思いますね。
やった事はありませんでした。ただアドバイスを求める方は多かったので経営、そして人間とは何か?を知らなければいけなかったからその経験が独立に活きたと思います。新卒で経営コンサルタントになる方がいますが、それは技術的な事を教えているだけで長く続かないと思うんです。私は経営者のコーチとしてのアドバイスを仕事にしているので、経営者が知らない経済の知識、会社の成功事例や失敗事例、人間として正しい道をアドバイスしています。
私は中国の古典を昔からかなり読んでいるんですが、それに照らし合わせて倫理観に則った上でアドバイスをしています。私個人の価値観ではなく昔から普遍的に存在する価値観です。そういう事を勉強していないとコンサルティングはできませんが、勿論会計、経済、法律の勉強も行っています。法律は大学で勉強したレベルですが、経済は専門書を書けるレベル、会計は会計大学院で教えることのレベルです。経済と会計はアメリカのビジネススクールで入門部分は習いましたが、後は独学です。
本能ですね。向上心というのは人間の本能なので自然と沸いてくるものなんですよ。世の中は甘くもないし厳しくもないもので、甘く生きたか厳しく生きたかで待遇が変わってくるものなんです。だから経営者として成功した人の中で勉強嫌いな人は聞いた事がないですね。自分の人生やビジネスにおいて与えられたものだけ勉強して上手くいくなんて事は有り得ないんです。生まれ持った才能の有無はありますが、才能がなかった場合それをカバーするだけの努力を若い内から体得した人は必ず成功しますが、逆に努力できない人は成功には辿り着けません。
ええ、そうです。しかし、その努力も正しい方向でないと意味がありません。経営者になりたい人はまず最初は、会計や経済、マーケティングなど経営の基本的な知識に結び付く勉強に力をいれるべきです。そして人を使わなければいけないので「人って何なのか?」という普遍的な価値観も勉強しなくてはいけない。また偉くなると下に会計やマーケティングの適任者が現れるため技が要らなくなりますが、そこでも経営者として意識しなければならない点が2つあります。