日本初民間月面探査プロジェクト「HAKUTO/ハクト」
株式会社ispace / 袴田武史
1979年生まれ、システムデザイナー。
2006年、Georgia Institute of Technologyにて修士号 (Aerospace Engineering)取得。
専門は、次世代航空宇宙システムの概念設計手法。
現在は月を舞台とした国際宇宙開発レースGoogle Lunar XPRIZEに、
日本から唯一参加しているチーム「ハクト」のチームリーダーとして、
2015年末までのロボットによる月面探査を目指し活動をしている。
スターウォーズの映画ですね。小学生の頃に、テレビでスターウォーズを見まして、特に、宇宙船が飛び交うシーンが好きでした。そこに出てくる宇宙船を作りたいと思ったのがきっかけです。その宇宙船を真似て、レゴで作ったりしていましたよ。笑
小学生の頃に、大学生によるロボットコンテストを見ていたんです。世界中の大学生が競っていて、日本では東工大が出ていました。実はロボットの方が興味あったんです。それで、東工大に行きたかった。
でも、学科を選ぶ際に、ロボットだけではつまらないと思ったんです。そこで、スターウォーズも好きだったので、学科を航空宇宙学に絞って受験しました。けれど、東工大の行きたい研究室には行けなくて、3回受けたんですが、3回ともダメで、3度目の告白も上手くいかず・・・
それで、上智大学の理工学部に行って、テニスサークルに入ったので、遊んでやろうと思ったんですけど、急に遊ぶ気を失ったんです。
高校時代に一緒に勉強していた優秀な奴がいたんです。彼も自分と同じ航空宇宙学を志望していて、九州大学に行ったんですね。一方、自分は普通の上智の理工学部に入って、テニスサークルで遊んでいる。彼は、夢に向けて頑張っているのに、自分は本当に今のままでいいのか?そう思ってしまったんです。それが、きっかけですね。
そして、また再受験して名古屋大学に行きました。そこは卒業して、その後にジョージア工科大学というアメリカの大学院に行きました。
そう言えると思います。日本で航空宇宙学の学科を専攻したんですけど、いまいち興味を持てる分野がなかったんです。日本の研究室は、レベルは高いけど、ものすごく細かい分野の研究をしている。でも、僕は宇宙船を造りたかったので、さまざまな分野同士を組み合わせることがしたかったんです。そういった、設計分野をやっているところは日本にありませんでした。設計を勉強できるところがアメリカだったんです。
大学卒業後は、コンサルの会社に入りました。ベンチャーのような会社でしたね。
宇宙船が飛び交うスターウォーズのような世界を創るには、国家による宇宙開発だけでは、その世界を自分が生きている間には見ることができないかもしれないと思ったんです。国家のスピード感では間に合わないんですね。民間でも、宇宙に行かないといけない。それには、エンジニアとお金の手配、経営が必要なんです。それで、自分が一人エンジニアとしてやるよりは、エンジニアが活躍できるフィールドを創って集めた方が、夢が叶うと思いました。そのフィールドを創る仕事将来できるようになろうと経営コンサルをすることにしました。
まさに、ハクトプロジェクトがそれですよね。自分がエンジニアとしてやるつもりはないので、エンジニアの方が、自由に好きなことができる状況を作っています。