人と地球を健康にする
株式会社ユーグレナ / 出雲充
1998 年東京の駒場東邦高校から東京大学文科三類入学。
在学中に米国スタンフォード大学で開催され た「アジア太平洋学生起業家会議」の日本代表を務め、3 年進学時に農学部に転部。
2002 年東京大学農 学部農業構造経営学専修過程卒業後、東京三菱銀行に入行。
退職後、米バブソン大学「プライス・バブソンプログラム」修了、経済産業省・米商務省「平沼エヴァ ンズイニシアティブ訪米ミッション」委員を務める。
2003 年株式会社ドリームキャリア取締役就任。 2005 年8 月株式会社ユーグレナを創業し代表取締役社長に就任。 同年12 月に微細藻ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の世界でも初となる食用屋外大量培養に成功。
2010 年は内閣の知的財産戦略本部「知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会」委員も務め た。
また、安藤百福賞 「発明発見奨励賞」受賞(2011 年)のほか、中小企業基盤整備機構Japan Venture Awards 2012「経済産業大臣賞」受賞(2012 年)、世界経済フォーラム(ダボス会議)Young Global Leader 2012 選出(2012 年)
信念は『ミドリムシが地球を救う』
著書に『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』(ダイヤモンド社)、CD に『食料・エネルギ ー問題をミドリムシで解決する!』(神田昌典・出雲充)がある。
私達は飛行機の燃料を実用化する研究をしています。例えば、ひまわり、 大豆、菜種、ゴマを絞っても、飛行機の燃料はできません。ところが、ミドリ ムシを絞ると飛行機の燃料が出てきます。100種類というミドリムシの中か ら飛行機の燃料に向いているミドリムシを見つけて、 ミドリムシの研究開発 を進めております。
分類で言えば、名前に「ムシ」とついているから、「青虫」と思う人も多 いのではないのでしょうか。しかしミドリムシは藻の仲間なのです。「苦く て、臭い」イメージを持たれているかもしれませんが、昆布やわかめ、抹茶 の味に近いと言えます。
きっかけとなったのは、「バングラディッシュ」に行ったことが原点でし た 。 海外にいくなら、どこか珍しい国に行きたい、そこで思いついたのがバ ングラディッシュ。私の中で、バングラディッシュという国は貧しくて、子どもたちは毎日お腹をすかして食べ物を待っているのだろうと思っていたの です。ご飯を持っていけば、きっと満面の笑みで喜んでくれると想像してい たので、日本のカロリーメートをトランクいっぱいになるくらい持っていき ました。実際現地に行ってみると、腹ペコで倒れそうな人はいなかったので す。この国の人たちは何が無くて困っているのだろう。そこで、私は「栄養素」を含む食べ物の必要性に気付いたのです。どうしたら人々の栄養失調を防げるのだろうか。様々な研究をしていく中で、ミドリムシには植物と動物の両方の栄養素が含まれていることを発見しました。
優秀な経営者は何千回、何万回と実験と研究を試行錯誤しながら、大成功 を収めているのです。私が尊敬している日清食品の安藤さんやヤマト運輸の小倉さんは、少しの失敗で挫けなかったから今、こうして大きな成果を収め ています。 私だって失敗の毎日なんですよ。ミドリムシの実験で良い結果を出せない から、簡単に諦めたなら、始めからしないほうがいいです。本当にミドリムシが好きだから、続けられているのです。好きなモノでへこたれていたら、世の中にいい結果なんて出せるわけがないですよ。