恩返しをすることが、原動力
NGO ADEO Japan / 前田実咲
慶應義塾大学経済学部。2011年8-12月にソマリア難民キャンプ等でNGO研修。12年10月開催のIMF世界銀行年次総会にDevelopment Japan共同代表として参画、TICADⅤ(アフリカ開発会議)にTICADⅤ学生プロジェクト共同代表として参画。UNフォーラム幹事会所。
現在は、IMF世界銀行年次総会やアフリカ開発会議(TICAD)のユースの代表をさせて頂いています。その原点になるのはアデオジャパンというNGOでした。 大学入学当初は、ダンスサークルやディスカッションサークル、国際協力系の学生団体でも活動していました。中高の頃から、国際開発に携わりたいと思い続けていたので、NGOに行き着きました。それが、今活動しているアデオジャパンです。当時は、自分がどの分野に特別興味があるかが分からなくて、セミナーやシンポジウムにひたすら行っていました。1日に2,3つに参加したりしていました。その中で、地域としてはアフリカ、分野としては文化や伝統が深く関連する課題に特別興味があることに気付きました。その後、たまたまネットで検索して見つけたアデオジャパンに入って、活動しています。 アデオは、日本人の学生をケニアやウガンダにある本部に研修生として数ヶ月間派遣するということをメインとしています。研修は、長期間行くので1年で2名ほどしか行けません。アデオでは人材育成に重きを置いていて、メンバーは社会に対する視座を共有しています。「国際協力って何だっけ」「そもそもNGOって何だっけ」「日本人が関わることの意義って何だっけ」など、問いかけをし続けることを忘れることなく、活動を継続させる原動力も養っています。そのアデオで、私は2年生の時にソマリア難民キャンプ等で4ヶ月間の研修をしました。
基本的には、現地のADEOというNGOのお手伝いです。その時ADEOで行われているプロジェクトはオフィス毎にいくつかあるんですけど、その中で何をするかは自分で探さなければいけません。はじめは主体的に動くことがなかなか出来ず、上司のフィールド視察や会議出席に同行することが多くて、「私、何しに来たんだっけ」と思った時もありました。でも研修生活の中で、段々と地に足がつくというか、「自分はここらへんなんだな」という身の丈を知ることができました。それを知ると、自分がどういう立場にあって何が出来て何が出来ないっていうのが分かってきました。
やっぱり、人間関係を構築していくところからですね。当たり前のことですが、どんなことでも人間関係から始まるものだと思っています。国際開発の現場においても同じで、自分が一緒に仕事をする人達とどういう関係を築けるかが大切ですね。その人たちが自分のことをどう思っていて、自分が相手をどう思っているか、それを双方向に伝え、認識ししなければいけません。向こうの考えが自分としては「身の丈を知る」という形で認識出来たことによって、私は何が出来て何が出来ない、私のやるべきことはここなんだ、と具体的な形になっていきました。