障害(バリア)を価値(バリュー)に変える
株式会社ミライロ 代表取締役社長 垣内俊哉
大学2年生の時の起業ということもあり、法律周りのことをあまり詳しくは理解できていませんでした。定款を書くにしても、業者の方に依頼するお金もなかったので、自分たちで最低限のことは勉強しました。苦労とまではいかないですが、それなりの準備は必要だったかなと感じます。
あとはクライアントの獲得という意味で、一定の人脈や接点は多少なりとも必要だと感じます。幸い当社はビジネスプランコンテスト等で多くの賞をいただいていたので、そこが最初の切り口になったというのはありがたかったです。一方で、学生のうちに起業してなかなかうまくいってないというのは、そういう接点が少なくて初速が出ないからだという話はよく聞くことかなと思います。
最初はあくまで「売り先」が必要なんだと思います。 起業した直後でビジネスパートナーと言っても、結局おんぶにだっこになってしまい、自分たちの力を磨く上ではやはり甘えが出てしまうと感じています。なので、創業期からビジネスパートナーっていう存在を意識する必要はあまりないだろうと思います。
きちんと自分たちでサービスソリューションを磨き、売れるような状況にした上であれば、販路拡大という点において、ビジネスパートナーが重要だと感じます。
何かしらの成功体験を積んでいる人の方が何事においても強くいられるのは、やはり「自信」があるからだと思います。ビジネスに対する自信はなくてもいいですけど、「何かに向けて全力で頑張った」、「結果を出した」という自分自身に対する自信を持っておいた方がいいですね。
採用時に企業が、サークル活動や部活動、大学名などを見るのも同じことだと思います。
時と場合によりますね。
「今やっておかないと5年後には廃れる」ようなホットなジャンルであれば、今すぐやった方がいいと思います。
「なんとなく起業したい」というくらいだったら、1回やってみて失敗するのはいいと思いますが、成功する保証はありません。学生だから起業した方がいいことはないですし、社会人になってからの方がいい理由もないです。
つまり、起業するタイミングは、ただ単に年齢が若ければ若い方が良いというわけではなく、
「事業のトピックと時流、潮流が合っているかどうか」という点がより重要かなと思います。
もう一度考えるタイミングがあったとしても、きっと「起業する」という結論になりますね。
なぜかというと、 「“今”やらなければいけない」という明確な社会的な課題があるからです。
例えば、起業のきっかけとなったエピソードとしては次のようなものがあります。障害のある学生の進学者数が少ないということで、私の通っていた大学ではバリアフリーのマップ制作という授業がありました。しかしそれが授業内での取り組みに留まってしまっていましたし、他大学でも同様の課題があったので、自分たちが事業としてやるしかないと思いました。