今、生きている事実に感謝して
スーパー大学生 / 吉崎詩歩
大学の起業サークルのVice President(副代表)を努めていて、ファイナンス部門のお金の管理をしていました。私が入るまではこの重要なポジションの離職率が高く、長期的な責任者がいなかったんです。ファイナンスの知識なんてまるで無かったのですが、私がやらざるを得なくなり、ある意味そのサークルの救世主的立場で任務を果たしていました。例えば2、3年前の消えかかったレシートの処理から、情報のデータ化や、財務分析など基本的なことしかしていなかったのですが、私にしかできないと自分に言い聞かせ、やり遂げることが出来たので、サークルのメンバーからの信頼を得られました。
アメリカ在学中、オクラホマ州立大学が主催している南アフリカプロジェクトEESA (Entrepreneurship and Empowerment in South Africa)と出会い、「なんでアフリカでコンサルティングの仕事?」と不思議に思ったものの、アントレプレナーシップ学部で学んだビジネスの基礎力を実践力に変える絶好のチャンスだと思い、選考を受け合格したんです。アメリカやアフリカの学生総勢50人で、それぞれ5,6人のチームに分かれ、スタートアップ期の企業の持続的成長を支援する活動をしていました。
南アフリカで具体的にやっていたことは、財務管理や業務改善のためのシステム導入、マーケティング戦略立案等です。例えば、ビジネスのターゲットを絞り、効率的かつ効果的なサービス提供を行うために、紙で行われていた顧客管理をデータ化し、そこから情報を分析するという提案がありました。しかし、クライアントが今まで行ってきたやり方を180度変えることは、そう簡単にはいきません。またエクセルのデータ管理票を作成しても、使い方がわからなくては提案が実行されることはありません。なので、エクセルやパワーポイント等ITスキルをクライアントの方に身につけていただくことから始めました。一日3時間程度しか睡眠がとれない日々が続き、体力的にも精神的にも大変でしたが、プロジェクト中は自分が学生だとか経験がないなんて言ってる場合ではありません。時間内に最高のアウトプットが求められていることを重く受け止め、絶対に成果を出さなくてはならないプレッシャーの中、目の前の人を助けなくてはと必死でした。
治安悪かったですよ。南アフリカはアフリカの中ではアメリカと言われていて、経済発展はしていますが、豊かさと貧しさとが隣り合わせに存在している国でしたし、やはり行動に制限はありました。物乞いや、暴動、貧しい地域に国からの支援が届いていないことに、市民が一体となって不満をぶつけ、信号機が壊されたり…なども間近で経験しました。また、アフリカは暑いイメージだったのですが、季節は冬でシャワーのお湯がでない時もあったり、インターネット環境が整っていなかったりと、予想外に苛酷な環境でした。
「使命感」、常に持つように心がけています。 例えば今、取材を受けていますが、ここでの使命は、世界の誰かが私にも出来るかもしれないと一歩踏み出すきっかけとなりうるかもしれない。だから いつも全力なんです、私。目の前で起こっている全てのことには意味があると思っていて、どういう状況においても、「なぜ今私はここにいるんだろう」、私に今与えられているミッションって何だろうということを考えています。これはアフリカ、アメリカ、日本でどこにいようとも同じです。