どんどん変わっていきたい
株式会社ラーニングデザインセンター / 清宮 普美代
基本的にはリスクをとることが一番のリスクヘッジだと思っているので、そういう風には考えませんでした。リスクを取らない選択は逆に危険ですから、リスクを取れる時、選択出来る時はリスクがある方を選んだほうが良いと思いますよ。
留学から帰ってきて一ヵ月で次の企業に再就職しました。大学で心理学を専攻していましたし、就職して人のキャリアに関る仕事をして、留学先の大学院では人材開発学を学んでいたので、それらを生かせる人事という仕事をやってみたいと思っていたんですね。それで外資系企業の人事部の責任者としてに入ったんです。そこで2年くらい勤めたんですが、結構トントンと出世できて社長室長になりました。そうして会社のさまざまな分野に携わっていたんですが、日本の優良ベンチャーに長年勤めていたので外資系企業の感覚に合わなくなって、少しきつくなってきたんですね。そういう中で会社を作ろうと思い始めた事がきっかけですね。まあ、留学時代から起業することは、念頭にありましたし、当時から起業する際のテーマは温めていましたので、いろいろな意味で機が熟したということもあります。
会社員として生活を送っていて、会社にとどまっていてもそれなりのポジションがあったと思うんですね。そういう安定と引き換えてでも今の方が良いと思える理由の一つはやっぱり『広がり』かな。自分の可能性とか起業して社会のビビットな動きや、枠外の物事が様々な形で見えて、わかるということが魅力ですね。もう一つは『影響力』。組織内のシニアメンバーとしての影響力より、自分が0から作っている組織が社会に与えるインパクトのフィードバックってすぐ来るじゃないですか、それを感じられることや、明らかに前の会社にいたら思わなかっただろうなという事を感じられたりだとか、そういう事全てが起業したことの魅力だと思います。
会社員生活はある意味守られているというか、会社の方向性に自分を同期させていくわけですよね。起業していると自分が軸を作っていかなきゃいけないので、その軸にいかに人を巻き込んでいくかということと、会社員の時って自己否定の機会があまりないですけど、起業して自分が軸を作るとなると「本当にこれでいいのか」と自分で考えなおしたり周りの人に指摘されたりもしますよね。正解のない状況での自問自答はある意味大変です。