Give&Takeの考え方を持つ
株式会社ワーク・ライフバランス / 小室 淑恵
今後取り組みの中心として企業も個人も考えねばならなくなるのが「介護」の問題です。団塊世代が今後5〜10年で一斉に70歳を超え介護が必要な世代となります。彼らの介護に主に携わるのは団塊ジュニア世代ですから、社会や企業の中核を担う人が介護に手をとられることになります。
個人としては、1日の時間の使い方を大幅にかえる必要が出てくるでしょう。企業としては、時間的な制約をもつ従業員をいかに活用するか、短い時間で高い成果を上げる組織を作り上げるか、が生き残るために必要不可欠な取り組みになっていきます。
一方、介護に対して漠然とした不安感を持つ人も多く、仕事との両立は絶対に無理だ、と思い込んでいる人も少なくないでしょう。しかし、私は介護と仕事の両立のために、まだ介護に直面していない時期から準備できることはたくさんあると考えていますし、介護に直面したときにも仕事と両立して乗り越えるための手段は多くあると見ています。
たとえば、弊社では「介護と仕事の両立ナビ」といって介護と仕事の両立に特化した情報を提供するサイトを企業様に提供しています。大変な人気で2011年6月にオープンしてからすでに数百社からお問い合わせをいただいています。このサイトに関心を寄せていただく主な理由として「従業員に早いうちから介護に対する準備をしてほしい」「介護の方法だけでなく、仕事とどのように両立させるか、について真剣に考えてほしい」といった声をいただきました。また、個人の方からも「親の介護スタイルにあった施設を選ぶことができて、親も大変喜んでいる」「親とのコミュニケーションを今から深めていくため手法を知ることができ、介護が身近になった」といった感想もいただいました。つまり、ワークライフバランスに積極的な企業や個人ほど、介護と仕事の両立の問題を先延ばしにするのではなく、前向きに乗り越えるために何ができるか、といったところに具体的なアクションを進めているのです。
このように、今後ワークライフバランスは、育児と仕事の両立だけでなく、介護と仕事を両立させて仕事でも成果をあげる、といった一歩先のステージに進んでいくでしょう。私も含め多くの若手が介護の問題に直面する前に、親の介護とポジティブに向き合い、仕事でもいきいきと成果が出せるような働き方を社会に浸透させていくことを今後もお手伝いしていきたいと思います。「介護と仕事の両立ナビ」の詳細はこちら
「ワーク・ライフバランス」を社業としているので、私自身は、仕事と生活を完璧な時間配分でやっているのだろう、と思われることもありますが、決してそんなことはありません。時間のやりくりに失敗してミスをしたこともありますし、子どもの熱が下がらずにおろおろして仕事が手につかないときもありました。そうしたときは、全ての事情を隠さずメンバーに伝え、彼ら、彼女らの手をかりて乗り切ってきました。いつも事情を包み隠さずメンバーに話しているので、メンバーも「小室さんは6時に保育園のお迎えだから、これは急いで相談しておこう」と私を思いやってくれます。
そして、助け合いの気持ちとともに大切なのは、相手 を「認める」ことです。
「あなたがいてくれて皆が助かっている」
「あなたのおかげでこの利益が上がった」
メンバーに日々こうした言葉をかけ、やっていることを評価し、相手の存在を認める。これがメンバーの働く意欲の基盤になります。
「Give&Takeの考え方を持つ」「120%の力を出す」「自ら情報を発信する」この3つが重要になってくると思います。 本業では、ワーク・ライフバランスコンサルティングの会社を経営する傍ら、
プレゼンテーション関連の書籍(http://www.work-life-b.com/book-presentation.html)を執筆したり、
社会人向けプレゼン講座(http://www.work-life-b.com/presentation.html)を開催しています。
また学生さん向けにも、プレゼンテーション講座もボランティアで行っておりますので、ご興味のある方はFacebookで株式会社ワーク・ライフバランスのページを 「いいね!」してみてください。
↓不定期ですが、受講生募集の際はお知らせを流しています。
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