Give&Takeの考え方を持つ
株式会社ワーク・ライフバランス / 小室 淑恵
今回は、充実したワーク&ライフを過ごす活動的な女性として多くの人から支持を得ている、株式会社ワークライフバランスの小室淑恵さんに取材をしていました。
これまで800社のコンサルティング経験を持ち、日本企業の風土にあった、ワーク・ライフバランス施策導入のコンサルティング提案が好評を得ています。
そんな働く女性のロールモデルでもある小室さんに、学生時代のお話から今後の取り組みまで様々なことを伺ってきました。
私は、大学を休学しベビーシッターをしながら、1年間アメリカに滞在していました。そこでの経験が「女性の働き方」について一段と深く考えるようになったきっかけだったと思います。日本にいる時は、女性が育児をしたらキャリアが横ばいになるのが当たり前、自己都合で育児休業を取る人が復帰後に昇進させて欲しいと望むのは、個人のわがままだろうと思っていました。しかし、同居していました女性が育休中にe-ラーニングで2つの資格を取り、育休明けに昇格して復帰したという事を知り、大変な衝撃を受けたのを今でも覚えています。彼女に「ブランクはブラッシュアップよ」と言われ、価値観の転換ができました。
私の原点は、学生時代にアメリカに滞在し、女性のポジティブな働き方を見つけたことです。育児休暇中にインターネットを学んで資格を取り、役職を上げて復職した彼女を見て、「ITを使って子育てがチャンスになる社会を作りたい」という夢を見つけました。
帰国後、卒業前にITについて学ぶために、ETIC.のインターンシッププログラムに参加、ネットベンチャーで営業を担当し、「相手の要望を汲み取って、解決策を提案すること」の大切さを悟りました。
当初はテレアポ担当でしたが、最終的に営業や企画の仕事まで任せてもらえるようになったんです。その理由を社長から、『君は常に予想の120%の仕事をしてくれた。だから、20%の余幅がもったいなくて、能力ギリギリまで使う仕事をさせてみたくなったんだ』と聞かされ、閃いたんです。本当にやりたい仕事にたどり着くためには、まず目の前の業務で全力を尽くすことが近道なんだということを実感しました。
特に力を入れたのは事前リサーチでした。育児休業者がスムーズに職場復帰するためのサポートシステムなのですが、当時の私は結婚もしていなければ子供もいない。育児休業の話をしても説得力が足りないと考え、土日を使って100人以上の育児休業経験者を訪ね、徹底的にヒアリングしました。「生の声」を企画に反映したことで説得力が増し、厳しい反論をされても根拠を示しながら回答できたと思います。
また、プレゼンテーションで勝ち抜いて行く形式だったので、プレゼンテーション方法にも気を配りました。事前に約30人の知人にプレゼンを聞いてもらい、分かりにくい箇所を修正しました。内容が斬新なため、逆に服装やプレゼン資料は凝りすぎず常識的に見えるよう心がけました。奇抜な外見は相手の心に「壁」を作ってしまい、斬新な提案を受け入れにくくしてしまうからです。「斬新な内容ほど、常識的にプレゼンする」ことをお勧めしたいですね。