起業はドラマ、果たすべき役割は無数にある
株式会社ブルームコンセプト 代表取締役 / 小山龍介
ブルームコンセプトとしては、世の中にない新しいものを創るということをヴィジョンに掲げています。1つは【Across the universe】。地球規模の事業を展開していくということです。例えばiPhoneやGoogleは世界中にサービスを展開しています。モノでもサービスでもアイデアでも何でも良いのです。 もう1つは【Visualize a future】。未来を映像化するということです。もともと映像出身ということもあり、未来をまざまざと目の前に見えるような、そういうコンセプトを創っていきたいと思っています。それらを遂行するためのミッションとして、2020年までに20個の事業立ち上げをミッションとして掲げています。20もやれば2~3つくらいはヴィジョンに適したものが生まれ、仕上がるはず。現在はコンサルタント業務が多いのですが、それを通じて企業のサポートしながら、グローバル事業を展開したいと思っています。
チームの中で議論しながら決めるという形ですね。しかし最終決定は役員です。
漠然と世界中の人たち、というわけではなくて。例えば今、復興支援活動で石巻や福島に行っているのですが、この地域は国内だから関係ないというわけではないんですね。むしろ、石巻の中に世界を見ているという感じです。石巻で起こったことは世界のどこでも起こりうる。被災してからの復興というプロセスは、世界のどこでも応用可能だと思います。石巻で取り組むことで世界と繋がるように考えています。この復興支援活動は今後そのままアジアの貧困地域にも応用可能だと思います。
そうですね。ゼロといってもそこには歴史があるわけです。そこに残った人たちもいます。真っ白なキャンバスに自由に書いていいかというとそうではないですよね。そこにはいろいろな思いがあるので、皆さんの思いを束ねて、皆さんが納得する形を作っていくコンセプトを大切にしています。これはコンサルティング業務においても言えることで、それぞれの会社にそれぞれの事情があります。そこをないがしろにされては相手は受け入れ難いですよね。筋道を通しつつ、感情的にも受け入れられるものをつくっていきたいと思います。
基本は、笑顔になるということです。僕がコンサルとして関わっているところで、「ここができていない、あれできていない」ということを言って、相手が自信を喪失するということにはならないアプローチを取るんです。どんな人でも、どんな会社でもできていないことはいっぱいあります。どんな完璧な会社でもできていないことがいっぱいあります。そういうことを改善していくことはすごく重要なんですけれど、もっと重要なのは、仕事を通じて一人ひとりがさらに成長するということなんです。 他人との比較だったら欠点はいっぱい出てきます。でも、自分との比較であれば少なくとも昨日よりも少し成長するということはそんなに難しいことではないんです。そこにフォーカスを当てる。コンサルをやりながら、僕は会社対会社の仕事でありながらも、そこに関わるプロジェクトメンバーの人生に関わる仕事だと思っているし、プロジェクトメンバーがプロジェクトを通じて成長すればいいな、と思う。
復興支援は一回きりで単発のものが多かった。それは単なるイベントです。継続することで「ドラマ」になっていく。始まりはイベントでいいと思うんですが、そのあと、多くの人を巻き込み大きくなっていくといった引き込む力が必要になります。それには、未来の筋道、時間が示されていることが必要で、それがヴィジョンです。ヴィジョンを示すということは、単なるイベントをドラマに変えていく、ということです。ドラマは、「このイベントは10年後にはこんな風に変わっていて、会社の組織として動いていて、10年後にこんないい会社を作るための最初のきっかけとしてのイベントなんだ」と例えばストーリーを作ったとします。そうしたらそれはイベントではなくて、ドラマの最初、第1話ということになるわけですよ。ドラマに繋がるイベント設計がすごく重要で、それがやっぱり起業というところにすごく近いんじゃないかな、と思います。
そうですね。ポイントは自分が映像化出来ているか否か。自分で出来ていなければ、相手も出来ません。お互いにイメージを共有することが大切です。学生の段階では、どうしても経験が少ないから、このイメージが貧弱ですね。リアリティがない。言葉には出来るのですが、どうしてもイメージ力が弱い。学生時代にどれだけ経験を積むかによってイメージできる幅が決まります。百聞は一見に如かず。海外に行った方がいいし、自分で見てきた方がいい。イメージ力がつきます。イメージ力がつけばつくほど、ヴィジョンが指し示せるようになるし、ヴィジョンに向かってのリーダーシップがとれるようになる。