信じた道を走り続ける
3keys / 森山 誉恵
私は母親の故郷である韓国で中学2年生まで過ごし、その後日本に戻りました。高校入学後もアメリカへ1年留学に行くなど国際的な生活を送っていたのですが、その中で「自分の故郷はどこの国なのだろうか」という葛藤がありました。
自分を取り繕うことが好きだったので留学から帰ってきた後は高校の生徒会長を務め勉学に励む傍らで、派手な格好をして遊んでいるような自分の二面性に満足していました。
大学受験は東京大学を目指して努力したのですが落ちてしまい、人生初の挫折を経験しました。
受験に失敗した経験から、大学では心を入れ替えようと考え、「OVAL」という国際ビジネスコンテストの運営に参加しました。ビジネスに触れる経験や意欲的な学生と接する機会は楽しく、刺激になり、自分の力で色々なことが出来ることを実感できました。
また色々なビジネスモデルを知り、様々な経営者の方と接点をことができました。なのでオーバルでの経験は今に活きていると感じられます。
OVALが2年生の夏休みに終わり、就職活動を見据えたとき、改めて自分が何をしたいのか見つめ直そうと考えました。そこで、環境やビジネス、国際交流など様々な分野を摸索しました。そのうちの1つが児童養護施設でした。
児童養護施設に関する知識も情報も不十分で想像もできなかったので、実際に現場を経験してみようと考え、学習ボランティアを始めたのが出会いのきっかけです。当時はまさか児童養護施設が本業になるなんて考えてもいませんでした。
私は学習ボランティアとして勉強が遅れている中学2年生の子供に、週1回勉強を教えていました。子供たちは施設を出た後に高校に進学できないと15歳で自立しなくてはいけないという厳しい状況に直面します。
なので、出来るだけ高校に進学させてあげたいとおもいました。当時私が担当していた子供は学力の面においてはなかなか難しさもあったものの、とても頑張ってくれて無事進学することができ、今では高校1年生です。
そうですね。学習ボランティアを通して、努力すれば報われ、評価されるという恵まれた環境に自分は居ることを感じました。児童養護施設の子供は、努力が評 価されにくい環境にいて、安心、安全、愛されているという実感がありません。学習ボランティアを始める前は、自分が努力したから、成長できたという自負が あり、他者への感謝がありませんでした。しかしその考え方は間違えていたんだなと感じました。
勉強を進めるうちに、児童養護施設の問題にますます興味をもつようになりました。施設は学習環境が整っておらず、問題が山積みです。なので、最初は何でもいいから自分に出来ることがやりたいと思い、サークル感覚でボランティアの募集を手伝いました。
すると、60件程の問い合わせをいただきました。そのことから外部の人にも施設の子供と接したいというニーズがあることを実感し、両者の橋渡しならできるのではないかと考え、2009年4月に3keysを立ち上げました。