学生のうちは、もうちょっと無茶しても良い学生時代の三方さんの情報収集について、教えてください。 とに…
M&R Partners Pte. Ltd. Managing Director / 三方麻琴
学生時代の三方さんの情報収集について、教えてください。
とにかくビジネス書や成功哲学書を読みあさっていましたね。一日一冊のペースで読んでいたので、今以上に読書量はあったように思います。当時、私は塾の講師をやっていて、その時はひたすらビジネス書や成功哲学書を読んでいましたが、その後法律系の総合事務所に入る時に、法律の実務書を読むようになりました。ビジネス書や成功哲学書をたくさん読んでいるうちに、「切り口が違うだけで、みな言ってることはほとんど一緒だ」ということに気づきました。もちろん、時代によって戦術や細部が変わってきますが、大枠は変わっていないように感じました。それからは、一冊で何か1個でも学べれば良いなというスタンスで、本を読むようになりましたね。
今の学生を見ていて不足しているなって感じることは、ありますか。
あくまで私が出会った学生という括りになりますが、頭で考え過ぎている人が多い気がしています。先輩の人生論や経営論、仕事のノウハウなどを聞いて、満足してしまっている人も多いのではないのでしょうか。インプットももちろん大切ですが、アウトプットのためにインプットが存在しているわけですから、そのアウトプットをもっと強く意識してインプットをしていけば、もっと自己成長ができ、もっと良い結果に繋がるのではないかと思います。
これからの時代海外に出ていく学生が増えていくことが予想されますが、その点についてはどう思われますか。
海外でいきなり起業するという若手もこれから増えてくるでしょうね。そういうスピリットを持つ若手は私もぜひ応援したいです。ただ、1発目で海外就職するというのは、現地の会社にそんなに求められていないのかなって思います。日本の外資系の企業が新卒で採用して、海外に赴任させるなら分かるけれど、日本の人材を海外で欲しい場合は、日本の仕事のクオリティー持った人材が望まれると思います。そうでなければ、現地の人で十分事足りるんですよね。海外就職という意味では、2〜3年くらい日本の企業で修行して、そこから転職していくとか、もしくはその社内の制度を使って海外に赴任するとか、そういった形の方が良いのではないでしょうか。それくらい日本の新卒の若手は付加価値もないでしょうし、現地の言葉もできないので業務上全く使えません。それならば、現地で育てるよりも、日本で育ててから、海外に行ってもらった方が良いと思います。もちろん、それはその会社のスタンスにもよるので、絶対というわけではありませんけどね。そういった意味で、日本の新卒の若手が、会社のどこに付加価値を生み出すかと言ったら、少し難しいかなと思います。
ただ、学生のうちは、もっとグイグイいっても良いんじゃないですかね。ビジネスになる可能性があるかとかも考えながら、色んな人に会った方が良いと思いますし、いろいろ情報を聞いて、何かきっかけが掴めたら良いですよね。学生の強みといったら、色々走り回れることと学生に対してリーチできることだと思います。やはり、ただ海外に来るだけではなく、もっともっとグイグイ行った方が良いと思いますし、そうでなければ生き残れないと思います。物事がスムーズに進んで行くようなことは、ビジネスの世界ではそんなにありません。だからこそ、ブルドーザーのようながむしゃらなパワーって、ものすごく大切なんです。学生のうちは、もうちょっと無茶しても良いんじゃないかなって思います。もっと上の人にお願いしても良いんじゃないですかね。もちろん、それはその人の人間性があった上でのことですけどね。
今のビジネス書と昔のビジネス書の価値について、どう思われますか。
両方に価値があると思います。昔から読まれている良書と言われるものは、原理原則など現在でも通用することが学べるからこそ読まれるんですよね。だからそういった昔の本は読むべきだと思います。最新のビジネス書は今の時代に即して細部を教えてくれるから、やはりそれはそれで大事で、その本を読む人の学ぶ目的によって、その人にとって価値あるかないかは変わってくるのだと思います。自分が求めるものによって、得られる情報量は、最新の方が多かったり、昔の方が多かったりと、変わってきますよね。わたしも帝王学の本を読んだけれど、それはどう守るか、守っていくかの話で起業家が起業時に読む本ではないと思いました。
今の自分が求めているものはどこにあるのかという形で選ぶ方が良いと思います。だから、ビジネス書や成功哲学を読むシーズンがあれば、実務書を読むシーズンもあって良いと思いますよ。学ぶ機会は本を読むだけではなく、実際に人に会うこともその一つですし、その方がより実践的なことを学べたりする場合も多いです。ですので、セミナーなど人に直接会って学べる機会を自身に作っていくことも大事なことですね。