世界一の営業マン
ソーシャル・アライアンス株式会社 / 桑原正守
「売れる人」と「売れない人」にははっきりとした違いがあります。いくつもあるんですが、一番違うのは「目」です。売れる人は売れる目をしていますね。「未来は面白いな」と思っていると目が輝き、「未来は大変そうだ」と思っていると目が曇るんです。作用に対する反作用で前者の場合は「未来は面白そうだ、だから今苦労しよう」と思い行動し、後者はその反対ですね。だから「今を楽しもう」と言っている若者を見ると「この子達は未来に不安があるんだな、なんか無理してるなぁ。」と感じますね。
だから僕は今をとにかく苦労しようと考えていて、逆に楽しいと不安になります。そして未来は現実じゃないですよね?何かに「なれる」かもしれないし「なれない」かもしれない。でも「なれるかも」と思った方が目が輝くんです。「なる!」と思ってしまうと潜在意識から「本当か?」という反発が来るんです。
でも「なれるかも」なら反発が起きない、これが仮説というものです。「仮説」を使って他人にも自分にも会話するのが営業のポイントです。ところが「必ずできると誓え!」と言われて「できます!」と言い切る昔の営業教育に多くの人がやられてしまっているんです。そうすると絶対に反発が来てしまいます。
そうです。僕の会社の営業マンは「できるような気がします!」という風に言っています。(笑)。その仮説を使うと「できている自分」に空想が飛ぶんです。仮説なら責任を取らなくていいから自由ですしね。ところが「やります!」と言い切ってしまうと「できなかったらどうしよう」という不安に駆られてしまい、メンタルが弱くなってしまうんですよ。
心理学の本を読んでも僕達が取っている方針の方が理にかなっているみたいなんですが、何故か昭和の教えが今も息づいていますよね。しかしWindows95のソフトを今のパソコンに入れても機能しないように、今の若者に昭和の古い教育を教え込んでも意味が無いんです。他の経営者の方々が実践している泥臭い事にも意義を見出せません。コンサルタントの依頼を受ける時、古い教えに素直な方は必ず断ります。そういう方は古い教えに固執し過ぎるが故に僕の言う事に柔軟に対応してくれないんです。経営でも営業でも人間をハードに置き換えたら、問題がある人はほとんどいません。問題があるのはソフト、つまり教えが古いからダメなんです。
そんな経営者を起業して22年間で何人も見てきましたが、一時の成功ではなく永続性を伴う成功が最も大切だと思いますね。僕はその永続性のある成功を収めている人を「上がり目」と呼んでいます。一時期どんなに成功していてもダメになる人も沢山見てきましたが、そういう人は「下がり目」と呼ぶようになりました。だから「成功者」ではなく「上がり目」を模倣するべきなんです。僕がコンサルタントを担当するときは経営者が自己啓発という鎧でギチギチなのでそれを解いてあげるんです。そしてその人がどの欲求の段階にいるのかいち早く察知し解決に導くんです。その為の「動機」が非常に大切ですね。
良く学生に講演をする事が多いですが、学生はその動機を「社会貢献の為」等崇高なものにしたがるんですがグリップしないんです。
「モテたいから」という単純な動機ならその為の行動に移し、それが達成したら次のステップに進めるんです。
全くわからないです(笑)。イメージは持っているんですが目標にはしませんね。実際僕は社員に目標を言わせる事もしません。「どうしたい?」と聞く事はあります。人を動機付けるのは「数字」ではなく「映像」なんです。だからシミュレーションには力を入れますが、日付をつけたり数字化するとできなかったり小さく収まったりして良くないんです。
パッとは思い出せないですね。辛さや苦しさって「虚」であって「実」ではなく、その人の解釈次第で変わるものなんです。「辛い」と解釈しない限り「辛い」という「実」にはなりません。憧れるような雰囲気でも辛そうにしている人もいますし、「大丈夫かこいつ?」と思うような雰囲気でも幸せそうな人っているじゃないですか?世の中にあるのは「現象」でしかなく、その人の解釈次第なんです。僕にも色々な現象が起きましたが、あまり「辛い」とは解釈しません。ただ体調を崩して辛かった時期もありましたが、岡根が「俺が社長をやるからゆっくり休んでくれ」と言ってくれた事は本当に嬉しかったですね。