世界一の営業マン
ソーシャル・アライアンス株式会社 / 桑原正守
哲学って大それたものではないですが、独自のスタイルは形成されつつありますね。元々兄弟が多かったから「こうすれば誉められる」「こうすれば叱られる」という現象を沢山見て学んできたんです。そして仕事も経営者と触れ合う事が多いので、憧れる経営者とダメそうな経営者の共通点をこの20年間で感じ取って僕のスタイルが形成されたと思います。
僕は読書をする時は基本的に目次しか読まないんです。そして目を引く目次があると自分なりに仮説を立てて読み始めます。そうしないと自分と筆者の距離が縮まらず、成功者の本を読んで何となく自分も成功者になった気分を味わってしまうんです。
そうですね、趣味が考え事です。でも古い20世紀型の教育には「考えるより行動しろ」というのがあるんですよ。でもそんな事をしたらロクな事が起きませんよね。
「考えるから行動が止まる」と言うトレーナーがいますが、「考えが足りないから動けない」と僕は思います。徹底的にマイナスな事を考え抜くから「動かなくては」と行動を起こせるんです。だから僕は徹底的に考えます。医療品や食料品等でも市民権を得ているけど良くないものって沢山ありますが、考えずに盲目的に使ってしまう人が多い。同様に経営者や営業マン教育でも、有名だけど機能しないものは沢山ありますね。実際僕はコンサルタントを担当するときもお客様に「どうしたら良くなると思いますか?」と問いかけるようにして考えさせます。そうする事でお客様も成長するんですよ。
先程も言いましたが、動機を深める事が大切です。その動機も段階があって、段階を外すと成長できません。だから最初の動機を恥ずかしがらないで下さい。僕は若い頃「将来の夢は?」と聞かれたら大体「社長になる、ビッグになる」と答えていました。しかし120万円のSMIの購入を勧められたときにビビってしまったんです。その120万円で品川ナンバーの車を買って田舎に帰って目立つ、それが僕の「本音の動機」でした。「社長になる」というのは「建前の動機」だったんです。
「建前の動機」で行動していては一向に前に進みません。僕も当時は結局品川ナンバーの車を買って故郷に錦を飾る為に頑張っていたんです。でもそれを達成できて初めて次に進める、これが動機に段階があるという事なんです。学生に講演をする際に僕に夢を語ってくる学生が多いんですが、明らかに「これは建前だなぁ」と感じるものばかりですね。みんな夢を語る事で責任から逃げてしまっているんです。僕は本音の動機を話した方がカッコイイと思いますよ。