10年後の未来を明るくしたい
ティー・フォー・ティー株式会社 / 杉田 泰輔
いつか起業をするという思いは、昔からありました。以前勤めていた会社の方針転換があったんです。上司も変わり新しい会社の流れが生まれ、自分が思っている考えと会社が目指す方向にギャップを感じました。トラクターの製造会社だったのですがバブル期の経営の多角化により、コンピュータ事業にも進出しました。その過程で徐々にギャップが大きくなってきました。最初は明確なビジネスプランがなかったので、自分の経験を積む上でも転職をしようと考えていました。当時から海外のソフトウェア会社との仕事が多かったので、その取引先の一社の日本法人化の仕事を経験しました。その会社はしばらくして撤退したのですが、起業をする前の良い経験にはなりました。そしてその流れで今の会社を設立しました。
迷いはありませんでした。採用試験を受けるといった、他の選択肢は考えなかったんです。今までの仕事から人脈も社外にいましたし、「1円起業」が始まった時期だったので環境にも恵まれて、その流れで起業をしました。起業時の事業の需要と自分が出来る事が一致していたので、躊躇はしなかったです。
自分の思いをビジネスの中に反映させやすいことです。中途半端な思いではお客様に伝わらないし、会社に属していた頃とは違い「カンバン」を失っているので信頼関係を築くのに苦労します。それらは大変だと捉われがちですが、魅力的だと思います。以前は大手の企業にいたので、様々な組織や階層があり、根回しが私は苦手だったので、前に進むのが疲れちゃうんです。それなら自分がどうしたいのか決めてから進む方が私には向いていると思いました。
また、学ぶことが非常に多いことです。起業をして続けることが大変だと感じます。お金儲けも楽ではないですが、それ以上に会社経営を維持していくことが大変だと思いました。しかし、それは会社の組織の中でのルーティンワークばかりだと、絶対に得ることが出来ませんでした。起業をして一番の学びは、お金儲けをしようと思ったら上手くはいかないということです。お金儲けをしようと思ったら、どうすれば自分が得をするかといったように、つい自分の事ばかり考えてしまうんです。ビジネスをやっていると、売り手と買い手の二者しか考えていないと思います。けれどもそもそも社会や世間がなければ売り手も買い手も存在しません。だから常に社会のためを考えたビジネスを意識すべきだと思います。